- [著]管賀 江留郎
- カテゴリ:
- 単行本(ソフトカバー) (335頁)
- ISBN:
- 4806713554
- 発売元:
- 築地書館 (2007/10/25)
- 価格:
- ¥ 2,205 (税込)
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新聞記事を集めたデータベース
戦前の少年犯罪を新聞記事から集めた調査作業は立派ですが、
事件に対する筆者の感想が繰り返されるだけで、
当時の政治や経済状況などを踏まえた研究はなされていないように感じる。
そのためか、新聞記事からの引用の繰り返しに飽きてしまう。
これだけの資料を集めた点は評価できるが、
現代の若者が図書館で集めた調査結果を発表したものという印象。
ワハハハハ・・・
「昔はよかった」「こんなひどい少年犯罪は昔なかった」
なんていう言葉を漫然と「そうなんだろうな」と
聞き流していたけど
この本はそういう根拠のないキマリ文句を
アッサリ、ばっさり否定して痛快。
思わず笑い出しちゃうほどの
あまりにもあんまりなヒド過ぎる事件の羅列。
でも昔の話だからか
グロすぎて気分悪くなったりはしない。
歴史の本みたいな気になってるからだろうか?
昔の不良のネーミングに爆笑!
男装の女運転手「スピード金太」って・・・
猫団団長「2代目白猫」って・・・
ヒーヒー言って笑っちゃいましたワ。
笑える本は少ない。希少です。
ただ軍隊の章はやっぱり笑えなくて
なんか ふざけられるとイヤな気になってしまった。
兵隊の暴走や傍若無人ぶりなんか笑えんわ。
もっと本当の惨酷を連想しちゃって不快。
その章以外は面白くて意外性もいっぱいで
とっても楽しめました。
評判になるだけのことはある良書
一部の書評で「書き方が挑発的すぎ」だの、「嫌味」だのと批判されていたが、読んでみるといわれるような喧嘩腰ではなく「ユーモア」や「ウィット」の類だと感じた。この程度で批判されるのであれば、どれだけオブラートに包めば認めてもらえるのかと逆に問いただしたくなる。
特に読めば誰でも衝撃を受ける新聞記事による事実を軸にした構成によって、逆に鮮やかに浮かび上がる現代の言論人の無責任な言動を考慮すれば、これ位の書き方でなければ内容に釣り合わないのではないか、とさえ感じるくらいだ。
「作られた伝統」だの「歴史の書替え」だのは、遠い昔の出来事ではない。リアルタイムで今、この日本において毎日のように行われている。しかもそうした行為に関与している人たちにすらその自覚がない。まさに目を覆いたくなる状況である。
本書は少年犯罪に的を絞っているが、他にも2・26事件や体罰をめぐる考察などを含み、現代人が陥りがちな紋切り型の戦前観を見事に解体してくれるだけの説得力のある良書である。
嗚呼素晴らしき哉旧制高校の生徒達
まるで男塾の風景を想起させます。
読んでいく内に凶悪と言うよりも不可解な犯罪ばっかりなんですよね。貧しいとかの理由にはならないところも押さえてます。
昔の人はもっとヴィヴィッドに、ヴァイタリティに溢れていたと評価してもいいんじゃないんですか?
そうでもなきゃ、大国と戦争出来ませんよ。善悪、毀誉褒貶、功罪全て綯い混ぜして素直にこれが日本人の本当の姿であると認めるべきだと思います。
軍隊教育を受けた人達が帰ってきて、それが後の子供らへの教育に皮肉にも貢献したと言う所ですかね。
著者は戦前をけなしているわけではなく、調査に関しては戦前の方が今よりまともだとしています。熱心且つ前向きであったと。
コンキチ&ナターシャの絵本ナビ
タイトルどうりの本ですが、よくぞここまでデータベース化されたと
敬意を表したいです、昨今、少年犯罪が凶暴化したとマスコミは
毎日のようにニュースにしていますが、この本を読めば一目瞭然
戦前の方がはるかに、凶暴で猟奇的な殺人事件が多かったことが
わかりますし、ここ数年、少年犯罪は急激に減少しています。
いかにマスコミの解説がいいかげんなものかこの本を読めば理解
できますし、自分たちで報道した事件をすっかり忘れて、日々起こる
事件をみて少年犯罪が増大し過激になっていると識者までが言うのは
どういうことなのだろう、理解をはるかに超えています。
マスコミ批判の本とも読めますが、作者はただ少年犯罪を追っていたら
戦前の方がめちゃくちゃな理由で殺人を犯している少年が多いなと
感じたことから新聞を読み、データ化してビックリされたことから
本になったということですので目の付け所が凄いの一言です。
お子さんをお持ちの方は是非一読をお奨めします。
この著者、私はやっぱり相当に年配の方だと思うんですけどねェ…分からないですけど
本書を構成する全16章は、すべて「戦前は…時代」というタイトルになっているが、この「戦前」を「今」に置き換えると、ほとんど現在のメディアや巷の世間話に登場する言い回しとして違和感がなくなる。これはもちろん、意図的。
戦前を形容する章タイトルが現在を語る言い回しと同じということから、「ああ、戦前も今と同じか、むしろもっと酷かったんだ」と感慨に耽るのも一つの読み方だろう。実際、本書には、そのような読み方を許すだけのデータ的厚みがあるし、著者も明らかにその点に自信を持っている(p293)。そして、そのように読む人の中には、データの間に挟まれた著者のコメントが時に皮相に流れ、嘲弄的で悪意を感じさせることを惜しむ声もあるようだ。
しかし他方、現在を語る言い回しが戦前にも適用可能という事実に、クリシェで煽ることしかできないメディアや世間話の耐え難いまでの凡庸さを見ることもできるだろう。「私は少年犯罪などにまったく興味はなく、ただ情報の流れ方に興味が」(p293)あるという著者の言葉を額面通りに受け取れば、こちらの方が読みとして正解となりそうだ。
とすれば、著者のコメントも、これはメディアの語り口を真似ているということになる。著者はweb上のある文章で「考える前に、まだいくらでも調べることがある」という趣旨のことを述べているが、そうなると「管賀江留郎」というペンネーム自体、「ロクに調べもせずに考えたつもりになっている連中」を擬態するためかも、という気さえしてくる。とすれば、こうして1冊の本を出版しつつも、著者「自身」は徹底的に希薄化され、捉え難い。
ただ私としては、「私は少年犯罪などにはまったく興味はなく」という言葉に精神分析的な意味での「否認」を感じないでもない。またメディアの口吻のパスティーシュでありながらも、やはり著者の「人」と「思想」は滲み出てくるワケだし、web上の「少年犯罪データベース主宰」では飽き足らず本を出してしまいながら、それでも身元は明かさないというところに、何らかの屈折を感じてしまう。因みに新聞記事要約の手際は必ずしも良くなく、ワープロ登場以前の主述の捩れた悪文を想起させる。
真実を知ることの大切さ
戦前に報道された少年犯罪の新聞記事をまとめたもの。
読みやすく本当に面白かった。
数行の新聞記事に対し、数行の著者のコメントという形式で
まとめられており、著者の事件に対する冷静な視点が時に笑いを誘う。
戦前の事実を知りもせず、調べもせず
「昔は良かった」
などと無責任な発言をするコメンテーター等への警鐘も含んでいる。
改めて真実を知ることの大切さを感じた。良書。
現代の少年は遥かにマシ(笑)
例えば少年が殺人事件なんかを起こすと必ずワイドショーなんかで、「心の闇が・・・」「最近の少年犯罪は凶悪化している」「昔はこんな酷い犯罪なんて起きなかった」とか言う、中途半端に心理学者ぶったいんちきコメンテーターが出てくるが、著者はそれらの意見は全て検証がされてない単なるイメージだとして、過去の新聞を読み漁り、「実際の」戦前の少年犯罪を検証した。
本書はその極一部をまとめて本にしたものである。
基本的な構成は、殺人、異常犯罪、親殺し等のグループごとに、ひたすら戦前の少年犯罪を挙げていき、それに対して著者が解説を加えるという形。
戦前は、今起きれば間違いなくマスコミで連日報道されるような事件が当たり前のように起こり、新聞でも小さくしか報道されなかったような時代であることがよくわかるようになっている。
銃の管理も今よりいい加減であった上に、少年はナイフを標準装備しているというところが怖い(笑)
とにかく、現代の少年は昔の少年よりは遥かに「マシ」(笑)
戦前には少年の殺人事件だけでも年に100件は起こっていたというし。
著者があとがきで「物事を調べるという一番の基礎的学力のない人々が、ジャーナリストや学者や官僚などの職いついてしまっている」というように、それらのいんちきな人々のいんちきぶりを明らかにするという点で素晴らしい本だと思う。少年犯罪に興味があるならば間違いなく読んで当たりの本。
ただほんの少しだけ気になる点と言えば、余程マスコミの少年犯罪に対する認識に腹を立てていたのか、全体的に挑発するような文が多いところか(気に障る人もいると思う)。
考えさせられる
「少年犯罪」について、戦前の方が今よりも、
はるかに凶悪な少年犯罪が多数起きているということが、
この本のデータを下に知ることができた。
地方新聞の細かい記事に至るまで、調べつくされている。
まさに頭が下がるほどの調査量だと思う。
この本の目的として、
「戦前は今より少年犯罪が多く、皆さん勘違いしないでくださいね」
といったメッセージなのだと思うのだが、事件に対する考察の書き方などを読んでいると、
なんとなく、人を馬鹿にしたような印象を受けてしまう。
著者にそういった悪気はないと思うのだが、すくなくとも私は、
膨大な事件を知る上で貴重な体験をしながらも、間ででてくる著者の考察に、
少し疑問を感じる箇所もあった。
コラムなどもとても参考になり、戦前の印象が少し変わったと思う。
何だか悲しくなった
戦前の少年犯罪について、よくもこれほど調べたものだ‥と評価します。しかし、各事件についての作者自身の感想、意見は、私の捉え方と隔たりが多く首を傾げ、文面にも違和感がありました。
