- [著]ダニエル N.リーソン
- [翻訳]楠瀬 佳子
- [翻訳]江口 英子
- カテゴリ:
- 単行本 (278頁)
- ISBN:
- 4807407201
- 発売元:
- 第三書館 (2007/12)
- 価格:
- ¥ 1,470 (税込)
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内容はなかなか興味深いのだが、あまりにも翻訳が…
モーツァルトのレクイエムに関する久々の本格的研究書ということで、わくわくしながら早速注文して読んでみた。内容は、それほど新鮮な知識ばかりとは言えないものの、非常に具体的な論述と実証的な考察に満ちた、興味深いものであった。しかしながら、本書を努力して訳されたであろう二名の訳者の方々には大変申し訳ないのだが、翻訳があまりにもお粗末すぎる。私は自分自身も英語の専門家の端くれであり、かつモーツァルトの大ファンなので、予備知識で補うことで何とか読み進めることができたが、あまり予備知識のない人がこの翻訳をいきなり読んだら、わけがわからなくなって途中で放り出してしまう恐れが大きいだろう。具体的には、次のような問題がある。1.音楽用語に関して、慣習にそぐわないものや不統一な部分が多々みられる。2.明らかに原文の英語を誤って解釈したと思われる部分が随所にみられる。私はこの本の原典を所有していないが、おそらく原文はこのような表現で、それをこのように解釈し間違ってのであろうと、容易に想像できてしまう箇所も多かった。3.翻訳の問題というよりも日本語表現の問題として、表現の拙劣な部分が多すぎる。特に助詞「が」と「は」の使い分けなどがひどい。4.私としてはこれがいちばん許しがたい点であったのだが、訳者がふだんからモーツァルトの音楽を愛し、モーツァルトに興味を持っていたならば、当然すぐに気づくに違いないであろう内容的な誤りや筋の通らない記述が、誤訳されたまま放置されている。いずれこれらの問題点を解決した全面改訂版が出版されることを強く願って止まない次第である。
