- [著]門倉 貴史
- カテゴリ:
- 新書 (175頁)
- ISBN:
- 4827550441
- 発売元:
- 角川・エス・エス・コミュニケーションズ (2008/07)
- 価格:
- ¥ 798 (税込)
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北京オリンピック後の中国
中国は実質GDP成長率が5年連続10%を超えており、世界経済の中で急速にその
プレゼンスを高めつつある。
もうすでに、「中国がくしゃみをすると、日本と米国が風邪をひく」状態とのこと。
過熱気味の景気に、中国政府は金融引き締め政策で対応しているが、北京オリンピック後は
一体どうなるのだろか。
第一のシナリオは、過熱していた投資活動が正常なレベルに戻り、ソフトランディングする。
というものだ。これが中国にも世界経済にも、最も好ましい。
第ニのシナリオは、問題の先送りにより、短期的には景気が上昇するが、中長期的には、
深刻な不況に見舞われる。これは危険性の高いシナリオとなる。
第三のシナリオは、金融の引き締めが効きすぎて、中国経済がハードランディングする。
これは、貿易・投資の観点からも、日本への影響は極めて大きくなるとのこと。
第一のシンリオとなる確率を60%程度としながらも、上海万博終了後の2011年以降は
少子高齢化の進展、人民元の切り上げ、所得格差の問題等様々の問題が噴出してくるとのこと。
中国の未来はどうなるのだろうか。それはむろん誰にもわからない。
しかし、門倉氏の意見に耳を傾けることは十二分に意義があることだと思われる。
近未来の中国経済
著者は、新興国と先進国の経済を幅広くカバーしているエコノミストの門倉氏。本書では、北京五輪後の中国経済がどのような姿になるかを、いくつかのシナリオに分けてシミュレーションしている。著者の想定するメインのシナリオでいけば、2010年までは経済が失速することはなさそうだ。
今年の初めには、08年の中国経済が8%まで減速するとか、(危機をあおるような)エコノミストの発言も多かったが、そんなことはあるはずもなく、年前半までは2けた成長を維持した。いまだに、わずかな成長率の減速を「失速懸念が強まる」ととらえている人もいるが、景気は日本やアメリカのほうがよっぽどヤバイのではないかと思う。ここまでの実績を見る限り、著者の予想は見事なまでに当たっている。
しかし、2011年以降については、かなり悲観的な見方をしているように見える。
2011年への警告
本書はいつもながらの著者のアングラ経済情報までをも網羅した切り口で、中国発の世界大恐慌ありやなしやを問う書である。
その中で、著者は「最良、普通、最悪」の3つのシナリオを示している。
詳しくは読んでのお楽しみだが、現下の中国情勢を勘案すれば、2011年頃のチャイナ崩壊リスクというものが見えてくるような気がする。
