ロボ―カランポーのオオカミ王 (シートン動物記)

  • [著]アーネスト・トンプソン シートン
  • [原著]Ernest Thompson Seton
  • [翻訳]今泉 吉晴

カテゴリ:
単行本 (95頁)
ISBN:
483400628X
発売元:
福音館書店 (2003/06)
定価:
¥ 945 (税込)
在庫状況:
在庫なし
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174,553 位
評価: 5.0
2007
06/09
Sat

大人が読むならこの本を!

100.0% (4 / 4)
[No.6] posted by ゆきねこ

恥ずかしながら幼少の頃にはシートン動物記を読んだことが無く、齢三十にして初めて興味を持ちました。
ロボとブランカの話は哀しいけれど、かなりロマンティックですね。

シートン動物記はそのほとんどが児童書として出版されています。というか大人向けに出版された物は
見つけきれませんでした。その中から大人にとって読み易そうなものを探し、レビューなど見てこれに決めました。

この本はそれなりに字も大きいしルビも振ってあるし児童書ならではの工夫がされているのですが
翻訳された文章が、読み易い!必要以上にかみ砕かれておらず、難しい言葉は注釈になっているので
ペースを乱されることなくスイスイ読み進めることができました。文章もどことなく上品です。
他のシートン動物記と読み比べたわけではないのですが、大人が読むならこの本をお勧めします。
子どもさんなら高学年以上向け、くらいだと思います。

2006
06/19
Mon

生の尊さを教える

66.7% (4 / 6)
[No.5] posted by Ryu

カランポーは、ニューメキシコの北部に広がり、そこには、ウシとヒツジの大牧場が展開する。このウシの国を支配するオオカミの王がロボである。ロボは体が大きく、頭がよく、頑強であった。また、オオカミの群れを率いるリーダーであった。
ロボの仲間に真っ白のメスのオオカミがいた。これを地元の人はブランカと呼んで、ロボのつれあいではないかといっていた。
このロボの群れの被害をなくすために、当然、牧場主は退治するためにあらゆる手段をとったが、ロボの知恵の前には無力であった。あらゆる銃から逃れ、毒餌を見破り、猟師をあざわらった。
ニューヨークにいたシートンに牧場主からロボ退治の依頼がくる。シートンはロボに対する興味もあり、仕事をやめ、カランポーに行く。
シートンは知恵を絞り毒餌を作るが、見破られる。新しいワナも失敗するが、群れをちょっと乱すオオカミとしてブランカに注目する。こうして、メスオオカミを狙ってロボをだます方法でワナを配置した。この計画は成功し、ブランカは捕獲され、死んだ。シートンたちはブランカの死体を持ってひきあげた。
ロボはブランカを追った。そこでシートンが気がついたのは、ロボが慎重さを失い、メチャメチャな動きをしていることであった。シートンはこのチャンスを生かし、全部で百三十個のオオカミ用の強力な鋼鉄製のワナを集め、すべてのけもの道に設置した。3日後、4本の足をワナにはさまれたロボがいた。最愛のブランカのためにワナに落ちてしまった。
捕らえられたロボに肉と水を与えても、ロボは見向きもしなかった。目はかなたの草原に向けたままであった。
力を失ったライオン、自由をうばわれたワシ、愛する者をなくしたハトはかならず死ぬという。ロボはその三つを失った。もう彼には死の覚悟しかない。翌朝、ロボは死んでいた。
納屋にはブランカの死体があった。一人のカウボーイがシートンとともにロボの死体をブランカの横に置いた。そして言った。「ああ、ロボよ。ブランカのために命をかけて悔いなきロボよ、さあ、あまえの場所はここだ。おまえは愛する者と、ただともにいたかっただけなのだ。」
シートンは、この経験の後、決して動物にワナや銃などの暴力を使わないと自分に誓っているという。そして、自分のサインにロボの足あとマークをつけるようになった。
訳者あとがきによると、この本を読んで、多くの子供たちから手紙がシートンに来た。十一才の少女は「三回も読んだけれど、そのたびに泣きました。」とあり、多くの読者からたんに悲しい気持ちになっただけでなく、「自分がやさしく、人間らしくなった」と気持ちが高ぶるのを感じた。九才の男の子は「ぼくはもう、たとえ五ドルもらっても決して銃は買わないし、撃ちもしないと決意しました」と感想を書いた。

その意味で、子供が「死」を考えるに適切な本である。

2004
05/10
Mon

凛とした美しさ

100.0% (18 / 18)
[No.4] posted by nikorinta

数ある『オオカミ王ロボ』の翻訳で、この本ほどロボが毅然と、誇り高く感じる訳はなかった。それは、訳者、今泉氏の動物を見るまなざしに尊敬がこもっているからだ。訳者によって、ロボが違ってみえる。この本によって、今まで味わったことがない凛とした美しいロボに遭うことができた。

2004
05/07
Fri

「声に出して読みたい」美しい文章の「ロボ」

100.0% (11 / 11)
[No.3] posted by 科学ママ

「シートン自身の挿絵」にまず驚きました。こんなに絵も上手い人だったのですね。また、今までの「シートン動物記」と比べて,格段に美しい文章です。猟師の言葉や,自然を描写している個所に、特にそれを感じます。中1の息子もこの本が大好きです。ロボがどんな罠も猟師もあざ笑うかのように逃げるところや、だんだんシートンがロボを追い詰めていく展開は、なんど読んでもあきません。

2004
05/07
Fri

巻末の注釈も、絶対オススメ。

100.0% (9 / 9)
[No.2] posted by こしょう

シートンの時代には、まだ、なわばりという言葉がなかったそうです。
でも、その習性を、シートンは“観察”から気づいていたなんて!!
注釈で知りました。オオカミの行動を、ひとつひとつの情報ではなく、物語としてじっくり読ませてくれます。
そういう意味では、擬人化することで構成された、他の動物ものとは、
全然違うかも。

ロボに対する感じ方が、子どもの頃とはだいぶ違い、読後の余韻をも楽しめました。

2004
05/06
Thu

「ロボ」は、すばらしいオオカミ

100.0% (8 / 8)
[No.1] posted by shakudo

~シートン動物記の第3巻。開拓時代のアメリカ大陸で、人間たちが西へ移住するにつれてオオカミはすみかをおわれていった。オオカミは羊を狩るため、賞金をかけられてカウボーイに狙われるが、ロボは用心深く、毒餌も罠もかぎわけて、生き残っていた。著者のシートンはロボを退治するために、さまざまな策略を巡らす。まず、メスのオオカミを罠にかけ、これを追~~って来たロボをつかまえた。オオカミの夫婦愛を利用した「人間のずるさ」の勝利だった。シートンは、そのときはじめてかれらのほんとうの悲しみと誇りに気がついたのだった。この本は、オオカミはこんなにもかしこく愛情深いこと、彼らがどんな暮らしをしていたかを、尊敬を込めて訳出している。いままでの翻訳とはちがう文になっている。シートン動物記には~~、この他にも同時出版された『ジョニーベアー』と『ラギーラグ』があり、さらに次の出版が待ちどうしい。動物学者の目でみた伝記『シートン』(今泉吉晴著/福音館書店)もおすすめの1冊である。~~


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