- カテゴリ:
- 単行本 (365頁)
- ISBN:
- 4834251055
- 発売元:
- ホーム社 (2004/09)
- 価格:
- ¥ 2,415 (税込)
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忠実な訳が名訳ではない
この新訳を買うよりは、むしろ中村妙子訳の評論社版を買うことをお薦めする。
評論社版は「抄訳」ということになっているらしいが、「完訳」であるこの版と比べても、
略されているのはむしろ蛇足と呼ぶに近い部分のみだからである。
また、日本語の質だけを取ってみても、この版は中村訳に遠く及ばない。
元々の英語の構文が透けて見えるような翻訳は、むしろ駄文であり、
その為に意味を取り辛くなっていたり、さらには誤解を招くであろう部分も、シリーズを通して散見された。
こちらの版で読むのは、中村訳が存在しない第4部からで十分であろう。
待ってました!
もともとは旧訳の本を小六で読んで、大人になって四部まで買い揃え何度も何度も読み返してきました。続きが読みたくて探し続けて、約十年やっと出会うことができました!違う部分はあったけれど、それはそれでまた新しい物語として楽しんでいます!
前訳ファンの人も必見
外国文学は訳者によって変わるということを、これほど実感したのは初めてです。
今回は「完訳」で、前回とは内容自体が、かなり補われているのですが、まず、固有名詞が違う。全体的に前訳は「漢字」、今回は「カタカナ」主体で、雰囲気が全く違います。
そして内容が共通の部分も、意味が反対になっているところもあり、本当はどちらが正しいのだろうと自分で調べたくなりました。
長年慣れ親しんできたせいか、文章としては前訳の方が美しいと思うのですが、内容も増え、これはこれで新たな「エイラ」としておもしろいです。
このシリーズは一部ごとに訳者が変わるので、その点も心配だったのですが、さすがに文体が統一されていて、違和感なく読むことができました。
初めて読む人だけでなく、前訳を知っている人にとっても、興味深いことは間違いない作品です。
生活するということの原点
不勉強な私は、ヒトは祖先からずっと一本線の延長上に進化してきたのだと思っていた。
この物語は、ヒトの祖先となるクロマニオン人の少女が、いずれ滅びてしまう運命にあるネアンデルタール人に助けられ、異人としての辛苦をなめながらも生きていくというもの。あくまでも著者の仮定による読み物としての物語なのであるが、著者の綿密な下調べによりあたかも考古学、古代人類学書を読んでいるかのように私は錯覚し、また読む手を止めることができなかった。
著者のメッセージに
「普通の大人の、複雑で洗練された生活を、私と同じように理解できる人たちのために書いた。」
とある。原始人の粗雑な生活ではなく、原始から受け継ぐ記憶と自然と共生した丁寧な生活ぶり。スローライフそのものが描かれている。生活するとはこういうことをいうのだ、と叱咤されている気がした。
少女の目を見張るような成長ぶりの一方、いつか滅びるであろう種の行く末を暗示する箇所を読むたび、ヒトの未来を暗示しているようでもあり、胸がざわついた。
ネアンデルタール人に対する興味がすべて
エイラも十分に魅力的なのだが、自分にとっては氏族の魅力が優った。児童書扱いとは知らなかったが、ばっさりカットしてどうなっているのか時間ができたら、児童書のほうも読んでみたい。この本が起点になっての広がりは、ちょっと予想できない、どれだけ読む本やジャンルが増えるのだろうって感じ。
2度も読んでしまいました
旧訳の続編を、なんと10年(?ぐらい)待ちわびて、やっと出たと、飛びついて買ったのですが、どうも本の装丁から、出版社から訳者からみんな違うので、おかしいなと気がつき、とにかく、内容は違ってないか、訳はどうかと読んでみました。前作同様、夢中で読んでしまい、結局又続きが待ちきれなくて、図書館で旧訳を借りて、4部全部を読み直してしまいました。今回旧訳を読んで気がついたことは、記述は詳細ながら、同じ内容の繰り返しが結構多いということです。その点今度の新訳の方が、スピーディで簡潔だと思いました。好みはあるにしても、かなり読みやすくなっているようです。初めて読む方には、とっつきやすいのではないでしょうか。慣れた旧訳で読めないのは残念ですが、旅を終えたエイラのこれからの生活を早く知りたくて、又続刊を期待して待っている私です。どうぞシリーズの最後まで出版してください。
旧訳になじんでいたので…
帯や紹介から、この新作が「大地の子エイラ」シリーズの続編が出たのかと勘違いしてしまいました。新たに最初から訳しなおしたのですね。
細かいことですが、人名表記、また「ケーブ・ベア」より、「洞穴熊」の方が雰囲気があって、旧訳の方が好きでした。
ものすごいエンターテインメント!
人類が旧人から新人へと移行する時代の物語である。
古いものと新しいもの、男と女、大人と子ども、大自然と人間・・・。
現代にも通じるテーマだが、スケールが違う。
図書館や読書、寒冷地でのサバイバル講座や野生植物の識別法、調理法講座などで得たという、
作者の正確で詳細な情報は、細部にまで存分に生かされている。
自分だけが異端者だとはっきりわかっていて、その集団の中で生き抜くことは容易ではない。
生物が白子や障害を持つものを淘汰して来たのは、それらが長くは生きられず、種を存続させることもできないためだ。
容姿がはっきりと違っている上に傷を負ったエイラは、それだけで拾われる価値などなかったのだが、
一族の薬師イーザが養母となり、生き延びるための知恵を授ける。
子どもから大人へ、さらに母親へと成長していくエイラの物語は、最後まで息をもつかせずに読者を引っ張っていく。
細やかな自然描写も、私たちにはまるで目の前に巨大なパノラマが立ち上がっているように感じられる。
「どんな未来小説よりも、遠くへ行ける!」のはウソじゃない。
しかしながら私たちの祖先をこんなにも身近に感じられる、こんな小説があっただろうか。
こんな祖先たちの遺伝子が私たちの体にも組み込まれていると思うと、ものすごいロマンを感じる。
知的好奇心も刺激してくれる、魅力たっぷりの物語だ。
20年前からお勧めの本です!!!
初めて手にしたのは高校の図書室でした。
その頃、この本は児童書として位置付けられていたように思います。
私が留学していたイギリスでは、少し大きめの書店に行けば、
必ずこのシリーズのペーパーバックがあるのです。
本当に面白いシリーズなので、日本では
あまり知っている人がいないことが残念でなりませんでした。
主人公のエイラの波乱に満ちた成長のお話でもあるのですが、
作者の徹底した時代背景のリサーチも本当に興味深い、
大河ドラマです。
この本の時代設定は、ネアンデルタール人と
クロマニヨン人の頃なんです。
シリーズ1作目は、ケーブ・ベアーの一族の一員となった
エイラの幼少期のお話です。
シリーズのこれからも楽しみです!
色々な人に本当に読んで欲しいと思う、私の一番のオススメです。
