- [著]幸田 露伴
- [編集]渡部 昇一
- カテゴリ:
- 文庫 (269頁)
- ISBN:
- 4837971970
- 発売元:
- 三笠書房 (2001/09)
- 定価:
¥ 560 (税込)- 在庫状況:
- 在庫なし
ユーズド商品:¥ 300 より
内容は他に代わるものはないのですが,読みにくさが難です。
本書は同氏の『幸田露伴『努力論』を読む 人生、報われる生き方』を再編集・文庫版です。慶応義塾大学の学長であった小泉信三氏をして「百年に一度しか出ない頭脳」と言わしめた幸田露伴を彼たらしめた理由が『努力論』と『修省論』にあると渡部氏は考えておられ、ゆえに本書は『得をする生き方 損をする生き方 幸田露伴の『修省論』を読む』(三笠書房)と対になっています。この二冊はこれまで評価されることがほとんどありませんでしたが、渡部氏が指摘されるように非常に優れた書籍です。氏が『努力論』と出会って以来45年間に渡って座右に置かれたことも頷けます。
さて、現代語訳されてはいるものの露伴の文体は意味を把握するのには苦労させられます。段落ごとの内容は明確なのですが、章として何を本当に言わんとしているのかが分かりにくいのです。例えば、「序(P.19-22)」では、露伴は努力には「直接の努力」と「間接の努力」があるといい、「直接の努力」はその時その時に力を尽くすことであり、「間接の努力」は準備や基礎を築く努力だと定義します。このこと即座に首肯できます。しかし、「序」で最終的に述べていることは、「「努力して努力する」-これは真によいものとはいえない。「努力を忘れて努力する」-これこそが真によいものである(P.22)」ということです。このように話の水準が凡人から始まり、天才に終わるという感があります。この間、自分の凡人さ加減を指摘されるようで辛い点です。
露伴の恐ろしさは、本のどこかしらに必ず読み手の水準に見合った示唆があることです。個所は異なるにせよ、誰が読んでも何かしらの示唆を受けます。これは読者層を予め想定して書く昨今の本では真似できません。だからこそ、座右に置いて自分の成長を図るのに適している本です。自分の人間の水準を突きつけられる辛く悔しい本ですが、手元に置くことをお勧めします。
悩むべき事態と悩まなくてもよい事態の区別
幸田露伴という方。名前だけは知っていたのですが偉大な方だったのですね。渡辺昇一氏の訳も絶妙で大変ためになりました。星5つです。私は幸田露伴という偉人に触れる事で以下の点が明確になりました。それは「悩むべき事態」と「悩まなくてもよい事態」と区別です。詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、努力してもしょうがない事で悩むよりも「自分でコントロール出来る事は何か?」により注力できる様になりました。「渾身の努力」という言語が自分の中で血肉化できると思います。
ただ、具体的な悩みを抱えていない方には分りづらいかもしれませんが、全日本人が同書を読んだら?と考えるとワクワクしますね。
幸田露伴「努力論」について
努力とは、例えば、資格をとるために時間を有効に使う努力、脳力を向上させる努力、体を鍛える努力など色々ある。それに対する本は多数刊行されている。私はそれらの数冊を読んだが、どれも本人の経験から述べられていて説得力がなくあきてしまった。そもそも、真の努力とは何か?それを説いたのがこの努力論でないだろうか。
この著者はその努力を精神、心、気、血、体及び宇宙などを用いて論理的に説いている。そして、各章での結論の持つ説得力が自分の生活にも影響を与え、このレビューまで書かせた。よって、この本によって、人生を前向きに生きる力を貰った。読んで損はない、得する、そんな数少ない本の一つだろう。
