- [著]久野 すすむ
- [著]高見 健一
- カテゴリ:
- 単行本 (218頁)
- ISBN:
- 4874243231
- 発売元:
- くろしお出版 (2005/03)
- 価格:
- ¥ 1,575 (税込)
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認知文法をわかりやすく導入した良書
題名こそ怪しい名前だが、中身はすばらしい。
英語学習者も、英語学や言語学を学んでいる人も楽しめるものになっている。
意味と形がどのように関係しているのかが認知文法の立場から解説されており学校文法を学んだだけの人は目からウロコだろう
英文法の謎を解いてみよう。
久野、高見ラインの文構造研究本。
分析のされ方は「謎解きの英文法 冠詞と名詞」と一緒。
つまり、「なんでこんな言い方はしないの?」ってのを説明する時に、
統語的なアプローチだけじゃだめで、機能的、意味的な制約を
考えなくちゃいけませんよっていうのが二人のスタンス。
様々な構文が意味的、機能的な面から分析されてます。
普段はこんな言い方はしないとされてるけど、そんなことなくて言えますよと。
それは、意味的、機能的にこういうことになっているから言えるんですよと。
こんな感じで様々な構文が説明されていって最後にはすっきり。
これを読んで、意味的、機能的な面からも文法を勉強してみては?
英語学の一端がやっと一般人の手に
久野・高見の論の進め方は、以前から「謎解き風」でした。普通、論文
は結論を先に書くのが良しとされますが、彼らは、結論を最後になる
まで明かしません。そうした手法をこの本でも積極的に取り入れています。
この本の中で彼らは、読者と疑問点を共有し「なぜだろう」という気分
をきちんと作り上げる点を心がけているようです。正しい疑問が立てら
れれば、答への道筋はつけられたようなものです。あとはその道筋をい
かに提示するかが焦点となります。著者たちは、納得のいく根拠(事実)
を積み上げながら、それを巧妙に一般化し、タイムリーに最初の疑問に
あてはめます。こうしていったん構築されたルールは、それが反証可能
なルールである限り、まさにそれを反証するデータが出てこない間は、
ルールとして有効となります。こうした文法の構築作業は、従来のルー
ル押し付け型の英文法と違って、とてもスリリングで、かつ納得できる
ものです。また、反論を考えるという批判的な読み方も許されると思い
ます。
ただ、この本で扱っている文法事項が受身文、使役文、分裂文など、
かなり高度な直感を必要としていて、その関係で、前作に比べるとやや
わかりにくい内容になっていると思います。この手の言語学的な分析手
法に興味がない人には、細部まで理解するのが難しかったかもしれません。
それでも、頑張って読めば、知的好奇心を刺激されるだけでなく、英
語に対する理解がいっそう深まることは間違いありません。専門家の間
でなされていた言語分析が一般人のもとにやっとおりてきたのかなという
感じがします。英語の教師ならば、読んで損はないと思います。
謎解きのプロセスが楽しい
前著での冠詞と名詞の関係から一転して、今回は受け身や二重目的語文、強調構文などの文レベルでのネイティブの感覚を教えてくれる。はじめに適格な文と不適格な文との比較から疑問を提示し、ネイティブがどう感じているかについて仮説を立て、それをいろんな文で検証していくスタイルは前著と同じで、いかにも研究論文的なため好みがわかれるところかもしれないが、それほど読みづらいということはなく、読み進めていくことで疑問が氷解する過程を楽しめる。内容も大西泰斗氏やマークピーターセン氏の著作に書かれているよりも若干詳しいし、二重目的語文や強調構文の話はこれまでの本ではみたことがなかったので新鮮で面白かった。最後の章の話法のところだけ問題の意図がみえにくく、説明もわかりにくかったのは残念だが、多くの人が読んでためになるし面白い本だと思う。さらなる続編にも期待したい。
微妙な文の意味がわかる
さー、と読んだだけで完全に理解することは難しい本だが、何回か繰りかえし、読みたい本。ただ、文章だけでは理解しにくい箇所には、イラストや表があり、理解を助けてくれるのはうれしいし、忙しい人が、さーと読んだだけでも、概略は理解で、有益な情報は数多いと思う。
文の意味、という副題が良く分からなかったが、読み進むうちにその意味が分かるようになった。たとえば、a.John sent mary a letter. という文と、b.John sent a letter to Mary. という文、学校では同じ意味と教えられ、盲目的に書き換え問題をやらされた記憶がある。ところが、この文は、微妙に意味が違うらしい。a.ではメアリーが手紙を受け取っているという意味なのに対して、B.は必ずしも受け取ってはいないというニュアンスだそうだ。このような英文の微妙な意味の違いが色々な構文で紹介されている。マクドナルドの宣伝のI'm loving it. というコマーシャルを聞いて、いつも不思議に思っていましたが、このような用法をネイティブは良く使い、時と場面によって使い分けていることがよくわかった。
英語で文章のやり取りをする人とか、ネイティブの言っていることが、学校でならったことと違うと悩んでいる人には特にお奨め。
また、私自身「推理小説を読むような面白さ」というキャッチ・コピーにつられて買ってしまったが、普段、仕事などで英語を使ってない人も、楽しく読めると思う。
