- [著]J. ラヴロック
- [著]J. Lovelock
- [著]星川 淳
- カテゴリ:
- 単行本 (388頁)
- ISBN:
- 4875021585
- 発売元:
- 工作舎 (1989/10)
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デイジーワールド
基本的には、ジム・ラヴロックの前著と同じ趣旨の本。地球上の生きている部分(生命)と生きていない部分(環境)が相互作用することによって自己組織化し平衡状態を保っていること、そしてその平衡状態が自然な安定状態からかけ離れていることから、生物が環境を住みやすいように調節しているとするガイア仮説。前著との違いは、デイジーワールドと呼ばれるシミュレーションモデルとその結果が(割と詳しく)説明されている点。帯やあとがきには、この本がガイア仮説を理論化しているとありますが、それについては疑問。デイジーワールドのシミュレーション結果だけでは苦しいのでは(シミュレーション結果自体は面白いのですが)。デイジーワールドのことがかかれている3章までは興味深く読んだが、それ以降はさほど目新しい情報はなかった。4章以降はラヴロックの前著と重複する内容があるので、前著を読まずに本書だけでガイア仮説入門になると思う。
地球生命圏ガイアからの後退
J・ラヴロックは地球が一つの生命であるという視点から逆に生命についての新たな定義をもうかがわせたのですが、また微生物に注目するという逆転の視点もあったのですが、この著では結局機械論モデルに戻ったようです。物理化学的説明に拠る他具体的に相互作用を示せなかった点に結局細分化した科学を乗り越えられない還元主義が見出せるのですが、ホロンやシェルドレイク、ライアル・ワトソンもそうですが還元主義に対する批判は比喩以上のものを生み出さなかった気がします。狭い人間観やモラルが細分化した科学と相まって道を塞いでしまっているように見えます。
ガイア説を学ぶために必読
人口に膾炙したガイア説の提唱者ラヴロックの著書。ガイア説は生物が地球全体の恒常性を保っている、と地球全体でひとつの有機体と考える。ドーキンスらから生物全体が環境の維持に協力することなぞありえないし、その説を証明するには環境調節に失敗したほかの惑星をしめさなくてはならない、と批判された。それに対する反論としてデイジーワールドの進化をとりあげている。ガイア説は進化は合目的に進まない、という大原則を破っているわけではなくフィードバックによるものだと納得させれられる。ただ気になったのは訳者も指摘している通り、原子力発電に楽観的過ぎるきらいがあることだ。
