- [著]アミタイ エチオーニ
- [原著]Amitai Etzioni
- [翻訳]永安 幸正
- カテゴリ:
- 単行本 (529頁)
- ISBN:
- 4892054399
- 発売元:
- 麗沢大学出版会 (2001/03)
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訳書だが読みやすい。
いわゆる共同体主義を自称してる人の考えが分かりやすく書かれている。
訳書だが読みやすい。値は高いけど。
誤解されているのか、それとも共同体主義が一枚岩ではないのか、
エチオーニの提起する共同体主義は、一般的な共同体主義のイメージと違い
リベラリズムが重視する権利や正義、そして民主主義を否定するわけではない。
それに国家や共同体を単に祭り上げるわけでもない。
そうではなくて、民主的な社会を主体的に担っていく人々の責務を重要視している。
リベラルが言い出したシチズンシップ概念にも通ずるものがあるかもしれない。
エチオーニにとって重要なのは、
共同体を創り上げていこうとする意識や人格をどうつくっていくかと言うこと。
そのためには、国家が決めた価値を刷り込むのではなく、
家庭や学校やコミュニティの中での人格的なやり取りを通じて生まれる徳性に期待する。
その意味では「ケアの倫理」などにも通ずるかもしれない。
しかし、ケアの倫理とはやはり似て非なるもので、
エチオーニが重視する徳性の矛先は、身近な他者というよりは共同体ということになる。
そのために家族の再生や人格教育の重視を掲げ、
だれしも共有できる共同体の秩序と規律(そんなものが確定できるのかという問題もあるけど)を
教える必要性を強調する。
ここらへんの連続性は必ずしも明確ではない気がする。
家族や学校での身近なやり取りの中で教えられた秩序や規律が、
共同体の担い手たる人格を本当に形成するのか。共同体の枠組みを突き破ることが本当にできるのか。
単なる権威主義に陥って、人に思いをかけるような人格形成をむしろ阻害するのではないか。
いろいろ疑問は残る。
ただ、この本の提起することは日本人にとっては受け容れやすいものかもしれない。
だからこそ慎重に呼んでいく必要があると思う。
この本の「解説」を読むと、そのことを強く感じてしまう。
ちなみに「解説」は、解説者の考えなのかエチオーニの考えなのか混同してて
本文よりもずっと読みにくいです。サンデル批判は何が言いたいのかよく分かりません。私は。
