- [著]ダニエル・G. エイメン
- [原著]Daniel G. Amen
- [翻訳]広岡 結子
- カテゴリ:
- 単行本 (326頁)
- ISBN:
- 4893613537
- 発売元:
- はまの出版 (2002/07)
- 定価:
¥ 2,100 (税込)- 在庫状況:
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ユーズド商品:¥ 346 より
これも名著
エイメン博士の前作、「愛と憂鬱の生まれる場所」と内容はだぶっている。この本は内容が練れていて、コンパクトにまとまっているが、勢いでは前作が勝るかもしれない。
原題は「たましいのハードウェアを治療する」である。だからこの本では脳機能と心理機能の相関関係が主眼に描かれている。道徳的な非難で悪を根絶することはできない。悪や暴力行為の背後にはしばしば機能不全の脳がある、という主張は社会を変えていくインパクトを持っている。
脳生理学とスピリチュアリティ
なぜか自己啓発コーナーで見つけたが、どう考えても、邦題が解せない。
Healing the hardware of the soul
How meking the brain-soul connection can optimize your life,
love,and spiritual growth
という原題+副題が、なぜこうなるのか?
どうも、soul とか、spiritualityの訳を、「精神」とか「精神性」に
しているようだが、「魂」とか「霊性」にしておいた方が良かっただろう。
しかし、内容は非常に面白い。精神障害や人格障害を脳画像から診断し、
脳機能を改善するような薬やセラピーだけでなく、生活や食事の工夫、
祈りや瞑想の効果まで紹介しているのが、画期的!?
確かに、クリントン嫌いのようで、「大統領候補者は、脳をスキャンすべき」
と主張する時の基準に危ういものを感じるが、それがかえって良いのかも。
脳画像による診断がもつ倫理的な問題についても考えさせられる。
それでも、21世紀の精神医療の進む方向を指し示しているのは間違いない。
脳機能検査の精度がさらに向上し、安価になれば、効果のない心理療法や
安易な薬物療法は一掃されることになるだろう。
さらには、スピリチュアリティ研究の一アプローチとして、
体験的・主観的な世界を脳生理学的に説明していく方向性も拓けてくるだろう。
そうした可能性を感じさせてくれる本である。
この人の言う健康って・・・
「わかっているのにできない脳」では、革新的な治療におそれずにチャレンジする良心的なドクターだと思っていたのですが・・・
この人の言う「健康な精神」とは、敬虔なキリスト教徒で共和党支持者のことでした(イスラム教等の宗教的コミュニティに対しては必ずしも否定的ではない)。
「自分の脳の状態を把握し、適切な薬物治療をおこなうことで健康な精神を手に入れ、素晴らしい人生を送ろう」という主張そのものには賛成なのですが、「健康な精神」の定義が狭すぎやしないでしょうか?
クリントン大統領の脳の状態について状況証拠のみから勝手な憶測を並べ立てていましたが、ブッシュやレーガンに対しても同じことをしてみて欲しいものです。
