- [著]佐藤 正午
- カテゴリ:
- 文庫 (321頁)
- ISBN:
- 4894568586
- 発売元:
- 角川春樹事務所 (2001/05)
- 価格:
- ¥ 680 (税込)
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時空を超えたラブストーリー
過去に戻るという発想だけでなく、物語に登場する人物の過去と現在の物語がうまく繋がっていて、読みやすかった。ただ、せっかく過去に戻った北川が色々な人を助けようとした挙句、自らが大きな怪我を負ってしまい、かつ、好きだった女性が親友の妻になってしまうという現実がとても切なかった。次の1998年9月6日にまた過去に戻った北川はどんな人生を送るかは分からないが、他の人間の幸せを想う彼には誰よりも幸せになってほしいと思った。
究極のストーカー・ストーリー?
これはラブ・ストーリーとはいえないなというのが感想です。
私が女なので厳しいのかもしれませんが容姿以外にその女性にまったく魅力を感じられないので、なぜ彼がそこまで思い込むのかまったく理解できませんでした。
そこが基の話なので設定が弱い気がする。話の展開はなかなか面白く読めたのですが。
元ネタ本の「リプレイ」を読んでいたので、興味を持ち読んでみましたが正直「リプレイ」のほうが面白いと思いました。
過去の自分が現在の自分を支えている
過去の行動を悔いることはよくあります。“もう一度やり直せたら”と思うこともしばしばです。
しかし、この本を読むと、人生をやり直すことが幸せとは限らないと感じます。
それまでの人生を否定して過去に戻ることに“ためらい”を覚えない人はいないでしょう。
しかも、“未来”を知っていることで、自分の行動や可能性を狭くしてしまうかもしれません。
この本では、人生をやり直しても、前の人生で縁のあった人とは、関係を変えても、関わりがあります。何が起ころうとも、“代わりになる人なんていない”ということです。
何度、人生をやり直しても幸福になるとは限らない。それならば、この人生を前向きに生きようと励ましてくれます。
もしも…
「もしもあのときこうしていたら…」こういった思いは誰にでもあるものだと思う。本書はこの誰にでもある気持ちをテーマとした作品である。
本書は推理小説的な部分もあれば、ある意味恋愛小説風な部分もあるといった不思議な小説であり、独特の雰囲気がある作品である。この独特な感じになじめない人もいるかもしれないが、誰でもこの不思議な世界を味わう内に徐々にその世界に引き込まれ、自分のこれまでの人生をちょっと考えている自分に気付くのではないかと思う。是非、一度試してみてもらいたい作品だと思う。
「たられば」話し
~この小説は「永遠の1/2」の作者によるかなり魅力的な「たられば」話しです。(ただ、私には「永遠の1/2」ほうがもっと面白かったのですが・・・)
著者はポール・オースターを知っているのだろうか? この小説を読んで私が感じたことがまずそれでした。オースター的な変な、そして魅惑的な世界がそこには広がっているからです。ただし、著者はオースターの~~パクリではなく、オースター的なものを消化しきってそこからひとつ、ふたつ基軸をずらした素晴らしい佐藤正午的な世界を打ち出しました。(それが、最後の数ページをオースターのニューヨーク三部作からそのままちょっとだけパクって今では大作家になってしまった方との違いです) ま、ハヤカワ・ミステリーのファンだった(?)という著者には、この手の世~~界はオースターを知らなくても自明のことだったのかもしれませんが・・・。
この小説の欠点をあげれば、最初の1/3は記述がかなりしつこく話しがあまり整理されておらず、少しわずらわしいことです。これがなければ五つ星になったのに・・・。さて、部屋のどこかで眠っている「永遠の1/2」を十数年ぶりに探し出さねば。あれを初めて読んだのはたしか1980年9月6~~日のことで、そのとき私は、ちょうど下北沢の本屋でその本を買い、午後7時21分下北沢駅発の吉祥寺行きの急行電車に乗り込んだのだった。(^_^;~
スピード感があってよかった。
冒頭の部分がとても不思議な感じで書きはじめられており、どうなるのかな?と思っていると読みきっていたという不思議な作品。
たまに自分が使用する鉄道等が出てくるので、自分も作品の中に溶け込んでしまうような錯覚に陥りました。
久しぶりに本を楽しめました。
おもしろ過ぎる!!
この本は恋愛小説という名の推理小説だと思う。
漫画しか読まない23歳の私が初めて『おもしろ過ぎる!』と思った推理小説である。
そもそも小説という物は最初が肝心で、出だしが面白くなかったら読む気が無くなって最後には寝てしまう(笑)
けど、この小説は出だしで私を引き込んでしまった。寝るどころか、寝る間も惜しんでとはこう言う事なのか!と実感したぐらいだ。
推理小説は苦手だという人も一度は読んでほしい!読み終わったあと必ず誰かに薦めたくなる一冊だから。
いろいろ考えせられました。
新橋の書店に立ち寄ったとき、なぜかふと手にとることとなったこの本。パラパラとプロローグを読み、もう手放せなくなりました。どうしてもあの日、あの時の過去を変えたい、その思いがかなうことは現実にはあり得ないことと思われていますが、この本を読むうちに、もしかしたら…などと思ってしまうほど、のめり込んでしまいました。ぐいぐいと引き込む筆力はさすがです。久々に読んだ小説ですが、佐藤正午氏のほかの小説もぜひ読んでみようと思えるような傑作であると感じました。
愛に対する欲望は、簡単に時間を超えるか?
「あのとき、ああすればもっと、今より幸せだったのか。あのとき、ああいえばもっと、いまより幸せだったのか」
いまでは数多くのフォロワーがいるらしい(モンパチとかゴイステとか、あと知らないけど)ブルーハーツの歌詞だ。
時間を止めるディオという怪物もいた。ドラえもんに頼めば、恐竜のいる時代にさえ連れていってもらえる。
ふりかえってみれば分かることがある。あのときが、人生の分岐点だったな、と。そのときは、大したことではないように思えても、時がたつことによって、ある時にした自分の選択が間違いではなかったかと不安で仕方なくなることがある。「あのとき、ああしていれば、自分は今よりもっと幸せだったかもしれない」
簡単にいえば、後悔するってことだ。自分の生き方に。!
作者は大胆に、私たちの夢をかなえてくれる。あの日、あのときにつれていってくれる。自分の目で、昔したあの選択が正しかったかどうか確かめてみろとでもいうように。
読めばわかる。いま私たちのしている後悔が、正しいのかどうか。
勘違い
究極の愛?というより勘違いの愛といった感じの話。
ただ、それが非現実の小説の中にリアルな現実感を持たせてくれた。人はだれしも『もし』を思う。でも実際それが起こったとしても、もしかしたら今以上の幸せは必ずしも得られないのかもと考えてしまった。知らないのが一番のことも。記憶とは奇麗なものですからね(苦笑)
