- [写真]瀧本 幹也
- カテゴリ:
- ペーパーバック (96頁)
- ISBN:
- 4898152031
- 発売元:
- リトルモア (2007/01/17)
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- ¥ 2,940 (税込)
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表紙のこの一枚
私は表紙のこの一枚に惚れて買いました。この構図にこの色彩の素晴らしいことといったらこの人天才ではと思ったほどです。いやこの一枚で天才かも知れません。どんな一流のカメラマンも一枚で認められているのですから。あとの写真が何であれ・・・。この原画が欲しいと切に願うものである。それほど素晴らしい。
「観光地で記念写真を撮る人々を撮る」ってメタ視線が新鮮
観光地→記念写真ってパーセプションは揺るぎないものだけど、「観光地で記念写真を撮る人々を撮る」ってメタ視線は新鮮だなぁ。まさにコロンブスの卵。“観光”って文字面通りに「光」の存在を感じさせる飛び気味の写真もコンセプトにドンピシャ。
「観光地だけ見てもその国のことは解らない」って文脈があるけれど、それはそうだよね。観光地ってのはその国の人にとっても特別な場所なのであって。でも、なぜそこが特別なのか?観光地になったのか?って問いに対する解は、そのお国柄に求められるはずなんだよね。だから日常(ケ)を知るのも重要だろうけど、まずは観光地(ハレ)で、その土地に触れるってのも大切なんじゃないだろうか。何より、この写真集見ていると、「観光地で写真を撮る」ってこと自体が、とってもナチュラルで可愛らしい行為に思える。
あと、外国に出かけていってバシャバシャ写真撮る行為って、ネガティブな日本人観光客像として捉えられることが多いけど、この写真集で「写真を撮る」人々は各国入り乱れていて、記念写真好きは万国共通ってのがわかる。自然とシャッターを押したくなる、場のパワーって凄い!
印象的だったのはタージ・マハルの前で集合写真を撮っている人々の傍らで、彼女を撮ってる男の写真。これって、同じ風景の中に複数の物語が存在しているってことを端的に示していて、ちょっと感動的。人の数だけある「人生」が共存している場としての「世界」って概念が可視化されているんだよね。
世界の観光地の中に、日本の雷門とか富士山とか金閣寺も挿入されているんだけど、他国に比べると観光地としてのスケール感が見劣りするなぁ、ドメスティックだなぁ、とも思うんだけど、それって、フランス人が凱旋門に、アメリカ人がマウントラッシュモアに感じるのと同様の、他人の芝生かもしれない。外国の人から見ると日本の観光地ってきっと不思議で非日常なんだろうな。
