- [著]岡田 英弘
- カテゴリ:
- 新書 (254頁)
- ISBN:
- 4898315038
- 発売元:
- ワック (2001/11)
- 定価:
¥ 882 (税込)- 在庫状況:
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国が違えば、文化&慣習は当然異なる
著者の中国観は個人的に似たところがあるように感じ、最近、その著書はよく読んでいます。
本書からは特に、現代中国語、道教&秘密結社に関する記述が勉強になった。
「どこの国の人も変わらない。同じ人間だ」という左翼から、「中国とは長い付き合いだ」という一般的な日本人は一度は目を通すべきだろう。「固い土には見向きも…」「嘘を言い続ければ…」と言った慣用句ではなく、著者独特の視点から描いた中国人の「本質」を知る上で、非常に参考になる。
ただし、言うまでもないことだが、そうした「本質」は最近の中国人では大なり小なりであり、皆が例えば「指桑罵槐」ばかりしているわけではない。個人的に多くの中国人留学生と接しているが、いかにも「中国人」というのはせいぜい半分くらいか。
とはいえ、日本人に非常に近い道徳観を持っていそうな人でさえ、ふと失敗してピンチに陥ると、途端にその「本質」が出る時がある。日本人なら思わず、普通に謝る場面において、いきなり、責任転嫁や言い訳の嵐に驚く時がある。
まあ、最近の日本人もそうした人たちは増えていて、そういう人に限って、中国人を小馬鹿にしているので呆れてしまうが…。
そんなわけで、民間の私的関係において、過剰にその「本質」を警戒する必要はないが、政治&外交の世界では、それが剥き出しになるので、是非とも知っておかなくてはいけないだろう。
中国についての「常識」の誤りを、完膚なきまでに打ち壊してくれる快著
他のレビュアーも触れているように、
いたずらに嫌中を煽る本などでは決してなく、
一流の学者が中国文化の本質を冷静に見極めた上で、
一般の読者向けにわかりやすく説いた好著。
古くから、「一衣帯水」「同文同種」とされてきた日中両国が、
実際はほとんど対極に近い文化を持っていることがよくわかる。
歴史教師をはじめ、何らかの形で中国に関わっている人間にとっては、
必読書と言ってもいいだろう。
これまでの日本人による中国理解が、
実態とは懸け離れたものになりがちだったのは、
懸命に漢文漢籍を読むことで、中国文化を理解しようとしてきたからで、
実のところ、現代中国語と漢籍は別言語と見紛うほどに異質であり、
大半の中国人は漢籍を読んでも意味がわからない、といった指摘に触れると、
正直、我々は今まで中国について何を学んできたのだろう、と
途方に暮れるような思いにもなるのだが、著者が言うように、
「我々は中国についてほとんど何も知らない」
という現状を認めること(無知の知)こそが、
これからの中国理解のためには必須なのだと思う。
また、本書を通じて、人間の精神を根底から統御するものとしての、
「言葉」の持つ力を、改めて強く感じさせられた。
日本では戦後、仮名遣いを改め、常用漢字数を制限したが、
お隣の韓国は漢字をほぼ全廃、ハングルのみに改め、
中国では簡体字とピンイン表記を採用するなど、
日本語を大幅に上回る大胆な改革に踏み切っており、
このことはすでに、日中韓の文化に深甚な影響を及ぼしつつあるはずだ。
本来、満洲史・モンゴル史の研究者である著者が、
どのような知的形成期を経て、現在のような見解を抱くようになったのか、
また、日本語の現状についてはどのような意見をお持ちなのか、
といった点についても興味を感じたが、
もし可能であれば、別著で明らかにしていただけることを期待したい。
冷静な中国人論
タイトルとカバーからは俗な感じを受けますが、一流の学者が書いた内容の充実した本です。中国人の行動原理とその歴史的な由来が、簡潔に解説されています。
この本を読むきっかけとなったのは、筆者の別の本である『世界史の誕生』という本でした。その内容は割愛しますが、膨大な知識量から生み出された歴史観は、非常に興味深いものでした。本書においても、行間に中国・アジア史に対する圧倒的な知識量が感じられ、それゆえにきわめて説得力のある中国人論が展開されているのだと思います。
第一章は、現代の外交にあらわれる中国人の特徴を説明した導入部分。第二章からは中国の歴史を追いながら、その歴史から派生する中国人の本質を論じていきます。専門的なことはまったくなく、平易な文章で書かれています。それでいて、つい、なるほどと唸ってしまう説明が多いのは、繰り返すようですが筆者の知識量のゆえだと思います。
タイトルからは嫌中論のイメージが浮かびますが、実際の内容は違います。好き嫌いや良い悪いを強調する中国人論ではなく、歴史的な裏付けをしっかりもった冷静な中国人論です。中国に関心をもつ方には――それがどんな分野であれ――、一度読んでおいて損のない一冊だと思います。
価値観が覆されました!
僕はこの本のタイトルを最初に見て、これは反日における中国政治の実態を書いたものかと思いました。
しかしいざ読んでみるとそうではなく、これは中国の歴史や思想、文化を書いたものであり、それはいままで私たちが想像してた中国人のイメージを根本的に覆す内容でした。だからぜひとも皆さんには読んでいただきたいものです!
岡田中国論の真髄がここにある
迷うことなく星五つ。これまで随分と中国論・中国人論の書物を渉猟してきた
つもりだったが、この本には脱帽である。目からウロコが何枚落ちたか数知れず。
日本人、いや世界の人間からみても不可解な中国人の行動原理は、支那の
歴史に秘密があることが本書で証明される。歴史と中国人論が見事に融合されて、
現代中国人のふるまいの正体が解き明かされる。それを説く鍵は「バルネラビリ
ティの原理(傷つけられやすさの度合い)」である。長きに渡っての闘争社会で
あった支那では、他人に弱みを見せることは死を意味した。だから常に揚げ足を
取られないように細心の注意を払うし、保身のための担保を求めるのである。
本書では、日本人が感じる様々な中国の"謎"に明快な解答を提示してくれる。
「なぜ科挙が生まれたのか?」「漢文は中国語ではない」「"正統"の論理」「中国
とは総合商社」「"指桑罵槐"とは?」「自白しなければ罪に問われない」などなど、
あまりに想像を絶しているために、にわかには信じられない中国人の行動原理と
思考の淵源がてんこ盛りである。とにかく本書は興味深いことこの上なく、
不可解でならなかったかの国の人の振る舞いの意味がスルスルと理解できる
ようになる中国人マニュアルである。日本人の必読書に推したい。
外務大臣推薦図書?
以前、報道ステーションで麻生外務大臣が薦めていたので読んでみました。
中国は漢字発祥の地でありながら日本よりも漢字が少なく、文章も漢文のを引用し続けてきたのは知っていましたが、何故そうなってしまったのかは判りませんでした。
そういった疑問について、中国という広大な大陸の中で文書での意思の疎通をスムーズに進める故の措置というのはなかなか説得力ある説明だなと思いましたし、副作用として文学の発展を阻害したとはいえ、これはこれで合理的であったと思いました。
それ以外にも中国人の現在もある行動理念として語られる指桑罵槐(本来批判すべきものを批判せず、遠まわしに他の対象を批判し、巡り巡って本来の対象へ届くようにする)というのは、日本人には理解し難い代物でしたが、上記の漢字同様、足元をみられたら死を意味する中国社会では納得のいく行動理念に感じました。
何故、中国人は…とその言動に疑問に思う人には必読の一書ではないかと思います。出鱈目にみえる彼らの言動も意外に筋が通っていてユニークです。
わかったつもりでも何もわかっていない。
日本には漢文というものがあるため、なまじっか中国のことを理解したような気になる。しかしながら、実際に中国人に会って見ると想像とのギャップに苦しむ。相手が何を考えているかわからない。
この本を読んで、もっとも基本的なところが理解できていなかったような気がする。漢詩を読める中国人は少ないということは衝撃的であった。
世界史では年号や人名を暗記するが、それらは枝葉末節のことであり、もっと根本にあたる部分がわかっていないと意味がない。
巨大な大陸、多くの民族、たくさんの人口、次々と変わる支配者。そういた環境で、どうやって生き残っていくかを考えれば自ずと理解できる。まさに目からウロコの一冊であった。
対中国観の再構築を迫られる
私たちが受けてきた歴史や漢文と言った学校教育、HNKなどで放送されるドキュメンタリー番組などからは、正しい中国観は醸成されないだろうと思い知らされた著作である。国家の概念から個人の行動原理まで、日本のみならず欧米的な基準からでさえ、中国と言うものを理解するのは無理だろう。これまでに培われてきた中国に対する幻想を捨て、ゼロから対中国観を再構築しないと、対中国ビジネスや外交で失敗を重ね続けるだろうと思った次第である。
幹部の子弟は海外の永住権を取ってるそうです・・・・
指桑罵槐(本当の怒りの対象とは別のものを攻撃する)という中国のことわざや「国民国家」という概念の導入が戦勝を目的としたものであったこと、などについての話はとても興味深かった。中国と言うと老荘思想やら杜甫李白やらで君子の国文化の国というイメージを持つ人が日本人の中には多いのであるが
君子などほんの一握りで他は実は日本人平均以下の人達であると言う現実に気づかせてくれる本。学校教育等における教養主義に毒された人が持つ中国幻想を快いまでに打ち破ってくれる一冊。黄文雄氏の著作ともども一読をお薦めする。
星は3.5位。
にわかに信じがたいほど明快
我々が理解できない中国人の行動や思考原理について、非常に明快に説明されている。明快なので、にわかに信じがたいほどだ。中国人とつきあう人には是非一読をすすめたい。読んでいて思わず笑ってしまうこともあるだろう。
