- [著]C.K.プラハラード
- [翻訳]スカイライト コンサルティング
- カテゴリ:
- 単行本 (496頁)
- ISBN:
- 4901234714
- 発売元:
- 英治出版 (2005/09/01)
- 価格:
- ¥ 2,940 (税込)
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必読書!!
本書はベストセラーだけあって、ビジネスマンであれば読まなくても大筋をどこかで見聞きしているというのが多いのではないでしょうか。私もその一人でした。読まなくても自分は理解していると思っていました。
本書を読んだ感想は、そういった先入観が間違ったものだということでした。企業のサクセスストーリーが羅列された本ではなく、BOP(経済ピラミッドの下層)市場でビジネスをするために必要な戦略が「イノベーション12の原則」として分析されていました。事例も細かく書かれており、ビジネスマンも研究者も楽しめる本だと思います。
潜在的市場の価値
「貧困層」を「顧客」に変えるための基本的な考え方と、実例を示した本。
ウォートン経営戦略シリーズ。
前半は、低所得で購買力の低いとされている貧困層を潜在的市場とみなし、
基本的なアプローチと開発方法が述べられている。
後半は、成功企業の実例が紹介されている。
興味深かったのは、貧困層の市場を開発するにはwin-winの関係を築くためのシステムを
ゼロから構築する必要があるという点。
先進国諸国の常識にとらわれないシステム構築の実例は、非常に興味深かった。
常識に縛られた市場や顧客に対する考え方を、
良い意味で打ち壊す一冊だ。
真にクリエイティブな本
誰かから教わったわけでもなく、
自分でロジカルに検証したわけではなく、
「貧困層は利益があがらないマーケットである」
「貧困層から利益をあげるなんて搾取に近いものがある」
と無批判的に信じ込んでいた情けない自分に、
思考の方向転換をもたらしてくれた本でした。
ちなみに…
日経ビジネス2008/2/11号の「世界鳥瞰」の記事に、
ビルゲイツが2004年に著者のプラハード氏に会って、
援助だけでは貧困問題対策への限界を感じていたところから、
大企業は貧困層に製品を売り、ともに働く方法を見つけるべきだという
考え方に変わっていったことが書かれています。
本書に書かれているとおり、
貧困層を顧客に変えるためにはイノベーションが必要で、
実現することに様々な困難が伴うことは確かだと思いますが、
本書の豊富な事例、深い洞察、自尊心を持つことができた貧困層の方の声により、
チャレンジしがいのある課題であると認識することができました。
そんなわけで★5つの評価です。
なお、付属CDのビデオは他のレビューアーの方が書かれているとおり、
日本語字幕の表示が可能です。
表示方法については付属CDをPCに入れたときに立ち上がるWebサイトに記載されています。
我々の常識を捨てることから
本書は、貧困層(BOP)といわれる人々に対して、これまでの「援助」や「保護」ではなく、消費者すなわちビジネスの対象という視点から、解決策を試みたものである。
しかし、1日の生活費が2ドル未満の彼らに対して、先進国を前提としたアプローチは通用しない。BOP市場という新たな前提を受け止め、常識を捨てるところから始まる。また、このアプローチでは「貧困層の彼らを個人として尊重し、自らが選択し、自尊心を養う機会を創出することが大切」という点も参考になった。
本書では、これらの試みを実践している企業の事例が数多く盛り込まれており、読んでいて飽きることはなかった。
政府のODA援助も、このような企業と連携して行うことも視野に入れてはみてはどうか。
一方、このビジネスモデルは市場規模が大きいことが前提であり、全ての貧困国に通じるモデルではないことも忘れてはならない。
格差が広がる(?)日本市場にとっても、本書の取組みが示唆することは多く、今後のマーケティング戦略の参考になるかも。
書籍の値段は約3000円と若干高めであるが、得られるものは少なくない。
目から鱗
さすがはプラハラードと言える渾身の一作である。多くの企業が縛られている「購買
力」の罠に対して、大胆な仮説を提示している。これぞアカデミアといえる強烈な
メッセージが本書からは迸っている。
基本的な考え方を知りたい人はパート1(200ページまで)で十分である。それ
以降はケースなので必要に応じてピックアップすればよい。ただパート2からは
突然2段組構成になっており、非常に読みづらい。全体のボリューム(ページ数)を
抑えるためなのであろうがユーザービリティの観点からするとやや問題があると思
われる。よって星4つ。
画期的、衝撃的な貧困対策
ビジネス書という位置付けではあるが、それ以上の大きな意味を持つ画期的な書だ。
この本で紹介されている事例は、世界に50億人いるという貧困層を顧客としてビジネスを成り立たせると同時に、彼らに先端技術の恩恵を与えることで社会で生きて行くための力を向上させ、貧困からの脱出にも力を貸す、という全く新しいタイプの貧困対策でもある。
そのビジネスの手法・考え方は従来の延長線上では考えられないものであり、コストパフォーマンスの劇的向上に始まり、販売方法や商品の使い方など、すべての面に渡って一から構築する必要がある。
それだからこそ、その商売に成功すれば、そこから得られるノウハウは企業にとっても大きな財産となるため、企業がこの分野に参入する大きな動機付けとなりうる。
従来の、充分に購買力を持つ層を対象としたビジネスと大きく異なるのは、企業と消費者とが、明確に「WIN-WIN」の関係を築けるということであろう。貧困層にとっての「WIN」とは、生活の質の向上であり、収入の増加である。
貧困層は社会にとってただのお荷物ではなく、チャンスさえ与えられれば意欲的に生産活動に励み、自己の生活のレベルを向上させつつ社会に対しても価値を作り出す貴い存在である、ということを教えてくれる、従来の既成概念をひっくり返される画期的書である。
世界のバランスから見ると、果たしてBOPは地球全体のためになるのか?
貧困層をターゲットにしたマーケティングが細かく記載されておりとてもために
なる書籍であった。特にケース文に関しては、現在のBOPマーケットで実際に経営
している企業の例が盛りだくさんあり、このような経営もあったのかと感心する
ばかりであった。最近ホットなグラミン銀行しかり、ビジョナリーな考えをする
経営者が多いのも驚いた。
部分的にみれば、貧困層がミドルクラスに底上げするということは、貧困層の
人々に対してすばらしいことだと思ってはいるが、世界全体のバランスを考えると
どうかな?と疑問が出てくる。
現在でも、中国、インドの驚異的な発展の中で、世界の中の資源の分配のバランス
が崩れてきているのが分かると思う。今の日本でホットなところで言うとマグロの
配分が少なくなった。世界レベルでの需要が大きくなったからである。
(これだけ見れば小さなことだが...)
石油、鉄鋼、食料などといった資源の取り合いが少なくとも、裕福になる国が多く
なるほど激しくなり、価格が高騰し混乱の可能性が大きくなるのではと思う。
また、地球環境的に見ても裕福な国が多くなるにつれて、破壊へのスピードが
速く進むであろう。
果たして、どちらがこの地球にとってよいことであろうか?
この書籍とは直接関係ないが、難しい問題だと感じた一冊であった。
BOP市場の評価
この本で書かれている要点は、発展途上国にも巨大な市場があるということ。
発展途上国では確かに人々の所得が低く一人当たりの購買力は大きくないが、その人口の巨大さゆえに、
そこの人々の所得にあった水準の費用で利益を出すことが出来る製品やサービスを提供できるなら、
十分に市場として魅力的だというものである。
この本のケーススタディには実際に行われたものが詳しく書かれているが、
小口の販売や金融の方法、普及活動など様々な工夫があり非常に興味深い。
この本は一般論を真っ向から打ち消すものであるように思われるが、
(一般的に「BOPの人には購買力がなく、それゆえに市場としての魅力も低い」という評価がなされている。)
ここで顧客の対象としているのはBOPの中でも中層以上の人たちで、
本当の下層にいる人に対するものではないということを考えると、
一般論を全て否定するにはいたらないであろう。
とはいえ確かに発展途上国には市場があり、
低コスト体制を整えるには技術的なブレークスルーや様々な工夫が必要で、
先進国でのビジネスをそのままBOP市場に持ち込む事は出来ないだろうが。
低コストでの生産やサービスを可能とする体制が出来るならば、
市場として十分に魅力的であると考えさせられる。
さらに現地の低コストや規模の恩恵、さらには経済の活性化を通して、
真のBOP市場にもビジネスチャンスが訪れるチャンスがあるのではないだろうか、
と考えさせられるよい本である。
思わぬマッチング
この本にたどり着く前に「誰でもわかる パソコン・IT・ネット用語辞典」を見ていました。そこで、「この商品を買った人は、この商品も・・・」にこの「ネクスト・マーケット」が出ていました。
私は、この両方とも持っていて、前者はIT関連の用語を調べるのに使い、後者はすでに読んでいます。
どのような本でも、もしITに関することが書いてある限り、上記の用語辞典を活用しています。
この結果、この「ネスクト・マーケット」もよくわかり、確かに貧困層を救うのはITかも知れないとは思いました。
ただし、貧困層にITを学習させるのもなあ、とも思っています。
いずれにして、上記の2冊はお勧めです。
考え方が身に付くと思います
ストレートなタイトルでびっくりしてしまいましたが、どういう考え方でマーケットを切り開くのかという考え方がわかり参考になりました。
時代を象徴している感じもする本です。
