- [監督]アンジェイ・ワイダ
- [俳優]タデウシュ・ヤンツァー
- [俳優]テレサ・イジェフスカ
- [俳優]エミール・カレヴィッチ
- [映像]イエジー・リップマン
- [脚本]クニルジー・S・スタビンスキー
- カテゴリ:
- VHS (97分)
- 発売元:
- ポニーキャニオン (1990/10/21)
- 定価:
¥ 3,873 (税込)- 在庫状況:
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ユーズド商品:¥ 3,500 より
この世の果てに・・・美しき女優テレサと絶望が淀む
ワイダといえば、「灰とダイアモンド」である。ポーランドの特異な歴史の中で惨殺される悩める青年の、一瞬の生の輝きと死を、モノクロームの詩的かつ劇的な映像で描いた逸品であるが、それ以上に、暗い水底に突き落とされるような深い衝撃を与えたのは、この「地下水道」である。対独のワルシャワ蜂起で敗走する義勇軍の兵士たちが、腐臭たちこめる下水道に逃げ込み、汚物にまみれ、出口の見つからない不安と仕掛け爆弾に触れる恐怖に、幻覚、狂乱、そして凄惨な死へ至る過程を、光と影を巧みに演出する白黒の幻惑的な映像で見る者を圧倒する。
あまりに陰惨で、絶望的状況に引込まれながらも、この映画には実はもう1つ密かな楽しみがあった。それは、傷ついた青年兵士の恋人を演じた女優の存在である。アングロサクソン系とは違う、東欧系なのだろうか、翳りの強い見事な顔の輪郭と、波打つ金色の髪、豊かな肢体のなまめかしい動き、最後まで諦めず、弱気になる男を介抱しながら、光ある出口へと向かうその健気さとたくましさ。過酷な状況ゆえにいっそう彼女の美しさが引き立つ。公開当時も人気がでたらしいが、ある取材記事によると、戦後まで生き残った母の面倒をみるため惜しまれつつ映画界を去ったとのこと・・・。
この映画は、愛する祖国ポーランドの特異な状況を、若きワイダが渾身の力を振り絞って描いた稀なる傑作であり、今の若い世代にこそ1度は見て欲しい、映画的興奮そのものである。
ワルシャワ蜂起ものの最高傑作
まさに力作。主演女優(テレサ・イジェウスカ)が魅力的。人気度では「灰とダイヤモンド」のほうがはるかに上ですけれど、完成度と緊迫度ではこっちのほうが一枚上でしょう。娯楽色はほぼ皆無ですけれど、決して退屈ではなく、映像表現に引き込まれてしまいます。
ワルシャワ蜂起の悲劇を描いた傑作
ポーランドの現代史は、日本人の多くが思って居る程、単純な物ではない。1939年9月1日の、ドイツによるポーランド侵攻が何故起きたかと言ふ問いが、先ず、そうである。−−この悲劇の原因を詳細に検証すると、ドイツが一方的に悪いとは言へない事が分かるし、戦後のポーランドも、決して、一方的に被害者だった訳ではない。−−しかし、そうした歴史的な議論は別として、ポーランドは、私にとって、思ひ入れの有る国である。20世紀にこの国の人々が体験した悲劇は余りに深く、重い。(その悲劇には、もう一度言ふが、ポーランド人自身が招いた部分も有るが、ここでは、そうした事はあえて論じない。)
この映画は、第二次世界大戦末期、ソ連軍がワルシャワに迫った際、ポーランド人自身によるワルシャワ解放を目指して蜂起したポーランド人達が、ソ連軍の裏切りによって孤立無援と成り、悲惨な運命を辿る様子が描かれて居る。(題名の「地下水道」と言ふ言葉は、日本語としておかしいと、元ワルシャワ大学教授の工藤幸雄氏は指摘しておられるが、その事には目をつぶろう。)
悲惨な出来事を描きながら、その中に、音楽的とも呼びたく成る、詩的な何かが有る所が、この映画のポーランド映画たる由縁であろう。(昔、私が親しかったポーランド人の女性が、ポーランド人はロマンティックなのだと言った言葉を思ひ出す。)繰り返して言ふが、ポーランドの現代史は、単純ではない。だから、この映画が描く事だけをポーランドの現代史と錯覚してはならない。しかし、この映画が、芸術的に傑出した作品である事に疑いの余地は無い。ポーランドと言ふ国について考える為に、或いは、20世紀と言ふ時代を考える為に、若い人に、是非、観て欲しい映画である。
(西岡昌紀・内科医/ヨーロッパで第二次世界大戦が終結した日に)
スターリン主義を告発する物語
第二次大戦勃発直後、そもそもポーランドはドイツとソ連によって
半分ずつ分割占領されるのです。ソ連はヒトラーと一緒にポーランドの
東半分を軍事占領したのです。それ自体ポーランド民衆への裏切りです
す。ソ連の意に染まない勢力は文字通り抹殺されました。
(ポーランド軍将校の大量虐殺がカチンの森事件です。)
大戦終了間際、ドイツ軍がまだポーランドの首都ワルシャワを占領して
いたのですが、ソ連軍が段々迫っていました。イギリスにあった亡命政
府は、このままソ連軍にポーランドをドイツ軍から解放されたら、ポー
ランドはソ連の軍事支配下に入ると正しくも考えました。
その為、ソ連軍にワルシャワを解放される前に自力で武装蜂起をワルシ
ャワ民衆に訴えました。ワルシャワの民衆は武器を持ち、立ち上がりました。
しかし、圧倒的なドイツ軍の軍事力の前に壊滅的敗北を蒙りました。
一部の人々は地下水道に逃げます。その出口では鉄の柵があり、出口な
しでした。その川の向こう側の風景を映し出す....
...これが「地下水道」のラストシーンです。
その川の対岸にはソ連軍が実はもう到着していたのです。
ソ連軍はワルシャワの民衆が虐殺されるのを待っていたのです。
米英仏の帝国主義国側の影響力のあるワルシャワ蜂起が成功すれば
戦後のポーランドで彼らに政治的主導権をとられてしまうと正しくも
考えたのです。
米英仏とソ連の政治的対立...
そのためにワルシャワ民衆は、米英仏から政治的に利用され、ソ連から
見殺しにされたのです!。
アンダーグラウンド
第2次世界大戦中のポーランドが舞台。
1944年夏のワルシャワ蜂起を描いた映画。
ドイツ軍に攻め込まれ、地下水道から脱出しようとするゲリラ部隊の悲劇を描いたカンヌ映画祭受賞作品だ。
ストーリーはよくある全滅ものだけど、映像がすばらしい。
モノクロの画面。
地下水道の暗さ。
汗や体にかぶった汚水が懐中電灯の光を反射して、奇妙な艶がある。
影が生き物のように動いて不気味。
美女の白い肌が闇の中に浮かびあがって妙になまなましい。
昔から、地下迷宮モノ? に弱い。
映画では「第三の男」、「サブウェイ」など。
自分は地下水道にもぐってみたいとは思わないけど(ワニがいるらしいし)、東京の地下鉄大手町駅の長い地下通路を歩いていると、ダンジョンにいるような気分になる。
地下モノ好きには、ぜひ、オススメ
