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1975年に深作欣二監督が映画化した藤田五郎の小説「仁義の墓場」を、新たな着想で三池崇史監督が再度映画化した作品。
石松陸夫(岸谷五朗)は沢田一家総長・沢田忍(山城新伍)の命を助けたことから、直若として盃を受ける。ある日、内縁の妻・智恵子(有森也実)に店を持たせる為に申し出た借金の話がもつれ、銃で沢田に怪我を負わせる。組織や警察に追われる身となった陸夫は逃亡生活の中でヘロインに溺れ、自分を匿ってくれていた兄弟分・今村(美木良介)をも殺害してしまう…。
岸谷五朗が初めてのヤクザ役に挑んだ作品。その不気味な存在感、人間凶器とも言える凄味は作品全体に緊張感を与えており、彼を拒みながらも運命を共にする智恵子役の有森也実は、ひたすら暴力に耐えるマゾヒスティックな存在として描かれている。投獄され、最終的に「大笑い、三十年のバカ騒ぎ」と辞世の句を遺して刑務所の屋上からダイブして絶命する陸夫のストイックな生きざまを、三池監督は徹底して冷徹な視点で描写している。(斉藤守彦)
