ツボにはまった
[No.21] posted by アマゾン99世
アキ・カウリスマキ監督作は、実は初めてだったのですが、微妙な間、無表情な登場人物と一見ぶっきらぼうな動作、そして少ないセリフ・・・見事にツボにはまりました。
自分の妻の彼が見送ってくれて別れるときのあっけなさ、再び記憶を無くした場所へ向かう列車内の日本ネタ・・・
それだけじゃなくて、キャラクターもどこか奇妙。
それが魅力。
これって、日本人向けなんじゃなの?と思ったらカンヌでも好評を得ているらしいし、映画の魅力はやっぱり普遍なんだな、と思いました。
ただ、最初の映画だったので、最初のペースについていけなかったので、残念ながら星4つです。
また観たい映画ですね。
人生は前にしか進まない
[No.20] posted by トビアス
アキ・カウリスマキ監督の映画はセリフが少ない。さらに映像も淡々としていて俳優たちもスクリーンの中であまり動いてない印象を受けました。言葉はおかしいけれど動いている静止画を見ているような感覚。同監督別作品「街のあかり」も観ましたが本当に独特な映画の撮り方をする人だなというのが感想です。この二作品しか観ていないけれどその映像センスに不思議な感銘を受けます。好き嫌いが分かれる監督じゃないでしょうか。
過去を無くした一人の男に訪れる出来事を描いた作品です。助けられ、時には見放され、それでも一歩一歩前へ進んでいく様子はとても人間味にあふれていて温かくそして勇気を与えてくれます。「人生は前にしか進まない」というキャッチフレーズは的確にこの映画を表現していると思いました。
カウリスマキ・マジック
50.0% (1 / 2)
[No.19] posted by かなり悪いオヤジ
旅行中の男(マルク・ペルトラ)がふと立寄った街で転寝中、いきなり暴漢に襲われ身ぐるみ(過去の記憶までも)はがされてしまう。病院を抜け出し川岸に倒れこんでいたところを、コンテナハウスに暮す貧しい人々や救世軍という浮浪者救済施設の人々に助けられ、次第に気力を取り戻していくといったお話だ。
この映画を見た後、ほとんどの人が幸せな気分になれるのには理由がある。救世軍がふるまう無料の粗食にありつくためにディナーに行くといって出かけたり、紅茶のティーバックを持ち歩き只お茶したり、恋人を正体不明のステーキと缶詰ビーンズでもてなそうそする自分より貧乏な弱い人間を見ていると、「ああ自分はなんて幸福なんだろう」とつい思ってしまうのが人間の性なのだ。
しかし、もはや<自力>で生きることのできなくなった底辺層の人々が、肩を寄せ合って他人の助けを借りまくりながら何とか生き延びているカスカスの姿は、そんな<優越感>を通り越したある種のカタルシスさえ観客に与えてくれる。壊れかけのミュージックボックスや救世軍バンドが奏でるブルース、食堂車でなぜか主人公が寿司を食うシーンで流れる演歌?が、うらびれてはいるけど温かいカウリスマキ独特のムードを映画全体に漂わせている。
あまりにも寒々とした生活をしている人々には、ちょっとした人間の優しささえとても温かく感じられるもの。貧しさで凍りついた俳優たちの無表情な顔が、ふとした人間同士のふれ合いでほころぶ時、観客はカウリスマキが仕掛けたマジックにいとも簡単にやられてしまうのだ。彼の<敗者3部作>の中でも、最も判官びいきの日本人ウケしそうな作品である。
「神の慈悲のない現世では、人間は自力で生きるしかないのよ」
これがアキ・カウリマスキか・・・(じーん)
[No.18] posted by ピカソ3D
前からアキ・カウリマスキは気になってました 他にもビクトル・エリセやアンドレイ・タルコフスキーの
映画なんかを見たいのですが なかなかレンタル店においておらず名作を見逃してしまってます。
アキ・カウリマスキもその中の一人でしたが この前衛星劇場でこの「過去のない男」を
見ました ストーリーは男が記憶をなくすという物で最初サスペンス映画なんだなと思ってい
たら違いました そんなものではないもっと奥深い人間愛を描いている 大人な映画でした。
映像もどこか哀愁が漂ってて良いです ラストの奥さんとの会話シーン・・・記憶を失くして
初めて自分という人間を知り 愛を学び 羽ばたいていくこの映画のラストの15分は特に
必見 音楽のセンスも良いしマルック・ベルトラがとてもダンディーで格好良い 秀作です。
リメイクしたら?
50.0% (1 / 2)
[No.17] posted by ポン太
これは日本映画でリメイクしたら、案外イケルんじゃないかな?
萩原健一と倍賞美津子で!
憎めない、冴えないひとびと
33.3% (1 / 3)
[No.16] posted by アンブロシア
フィンランドの林、フィンランドの湖、鉄道、車、コンテナの錆!
それだけでもうなんだか素敵。
ちょこっと映る洗濯物とか、おうちのドアとか、子供の服とかもフィンランド色。
ジュークボックスも可愛くてかっこいい。
しかし、カウリスマキの映画に出てくる人々は冴えないな。
『浮雲』もそうだったけれど、主人公も、主人公が恋をする女性も、むっつりしていて全然華がない。セリフもあまりない。
なのに見ているうちにそこはかと彼らへの愛情がわいてくるから不思議だ。
主人公は冒頭で暴漢に襲われ記憶をなくすのだけれど、そのことが特に大変なできごとだと感じる風もなく、なんとなく新しい土地、ひとびとのなかに馴染んでゆく。
…といってもちっとも愛想もよくないから(というか、登場人物の誰ひとりとして愛想のよいひとなどいない。子供すら)馴染んでいるというか、ま、そこにいてもいいんじゃない、みたいな感じ。
フィンランドのひとの人柄なのかな、それともカウリスマキの独特な人間観だろうか、なんだかどこか抜けてて、人がよくて、可愛らしい。
嫌な警察官が出てくるんだけどそのひとすら虚勢をはる様子が間が抜けていて憎めない。
北欧は失業者が多いのだろうか?
『浮雲』にも職を探してさまよう姿があった。
でも失業者への対応もすごく親切なんだなあと思う。(映画だけかな。フィンランドのこと好きなのに何もしらない)
仕事を見つけるためにはまず見た目から…と服を出世払いで提供するなんて、日本ではないことだし、根本からの解決を図るための手段だし…やっぱり失業率で悩んできた国なんだろうな。
それとも、フィンランドって共産国…?
ほんとうにしらないや。
なさけなや。
あるひとにお世話になったときの
「借りができたな。なにをすればいい?」
「俺が倒れていたら、あおむけに」
というセリフがとっても好きで、カウリスマキの映画をぎゅっと凝縮してるみたいに思えた。
生活者への連帯感
80.0% (4 / 5)
[No.15] posted by sow-seed
コンテナハウスに辛うじて住処を見つけ、救世軍の配給食にホッとする生活であれ、
人が生存する際に寄りかかり連帯するのはやはり人であり、小さくみえてもささやかな愛だ。
男は冒頭から災難により記憶を失う。心電図では死んだはずの男がむっくり立ち上がる。
それほどでなくては人は過去から訣別できないのか。過去を失った男は、
捨て猫が拾われるように無垢な善意に助けられ、「前にしか進まない」人生を新しく取り戻す。
救世軍に勤めるイルマの人生は、就寝のための音楽がロックであるように、長きに
わたり静かすぎるほどの過去なのだろう。語るべき過去などない。それもまたどう
であれ、前にしか進まない人生だ。
ここにお安い感傷はなく、最低限の生活の日々を生きる人々の姿を軽快にすら見せる。
ゴミ箱を住処とする友人さえ心配するのはゴミが増え過ぎて寝場所を狭くされることだ。
カウリスマキはけして絶望を見せない。
それは社会の無慈悲なシステムが絶望を強いるからだ。
しかし、人はシステムの奴隷、僕ではなく、生を謳歌すべきために生まれた人類だからなのだ。
実は故マッティ・ペロンパーに対する思い?
87.5% (21 / 24)
[No.14] posted by しゃとん
最初見たときは、「こうやって、一切過去と縁を切って新しい人生を歩むのも悪くないかも」程度の感想でした。
しかし、その後カウリスマキ監督作品に興味を持つようになり、彼の過去の作品を一通り見た後、改めてこの映画を見直してみたところ、過去の映画から引用したシーンが所々に出てきていることに気付きました。
しかも、それらのシーンは、全て過去の作品では1995年に44歳の若さで急逝した元カウリスマキ作品の常連俳優、マッティ・ペロンパーが「パラダイスの夕暮れ」「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」「ラ・ヴィー・ド・ボエーム」等で演じていたシーン。
更には、主人公がバーで飲んでいるシーンでは、壁にマッティの写真が…。
一度死んだかと思われた主人公が蘇生して、新しい人生を生きる…という設定は、実は亡くなったマッティが、どこかで生まれ変わって新しい人生を生きていたら…という監督の想いの下に作り出されたような気がしてなりません。
なんとなく ほのぼの 癒される
57.1% (8 / 14)
[No.13] posted by masasige
淡々と 過ぎ行く 人生。
どんぞこの、人々の 優しい愛の手。
救世軍の素晴しい音楽。
誇り高き、銀行強盗。
獰猛でない、ワンワン。
憎めない、悪徳警官。
カフェの、優しい人々。
可愛い子供たち。
コンテナの心温まる生活。
静かに、深まる、愛の姿。
アンチ資本主義の快作。
☆、登場人物の数だけ、☆。
人生は後ろには進まない
66.7% (6 / 9)
[No.12] posted by タハティ
『人生は後ろには進まん。進んだら大変だ。』・・・
主人公の男を最初に助けた男の言葉です。なんて深くて味のある一言でしょう!。
暴漢に襲われ、過去の記憶をすべて失った男。その気の毒な男を救った男もまたコンテナハウスに住む貧しい男・・・。全編が貧しい人々の中で語られているのに、いろんな場面でちりばめられているユーモアのセンスはさすがカウリスマキ監督!。
『美男美女が登場しなくてもいい映画は作れるのです。』といったようなことが雑誌の評論に載っていて、その言葉に引かれてDVDを購入し、挙句の果てにカウリスマキ大ファンになりました。