- [監督]是枝裕和
- [俳優]江角マキコ
- [俳優]内藤剛志
- [俳優]浅野忠信
- [俳優]木内みどり
- [俳優]柄本明
- [俳優]赤井英和
- [俳優]寺田農
- [原著]宮本輝
- [脚本]萩田芳久
- カテゴリ:
- DVD (130分)
- 発売元:
- バンダイビジュアル (2003/04/25)
- 定価:
¥ 3,990 (税込)- 価格:
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網膜に残る抽象的ドラマ
アップの少ない画面。画面のトーンも暗く、テレビモニター画面だと、さらに表情もよくは伺うことができない。
しかし、それがマイナスかと言うと、意外にそんなこともないのだ。
抽象的なドラマの雰囲気がより抽象的になって、妙に心に残ろうとでもするかの画面だ。
多くが遠目のシルエットで静かに語られるスタイル。
それがこの映画では印象的に網膜に残るようだ。
それは登場人物の心の中がそのまま風景になったような画面ということだ。
言葉による説明もほとんどされないので、彼らの行動の動機も想像力を要求する。
しかし、想像すること、じつはそれを空しく思う。
そんな心の情景を嫌と言うほど知っている人、馴染んでしまっている人にとっては、ということかもしれないが。
説明できない人の心の軌跡を描いていると思えば、ラストに近い主人公の言葉にされた「長い間の問い」も、もしかしたら必要なかったかもしれない。
イノセンス
江角マキコ初主演作であるが、僕は子供たちの自然な姿ばかりに目が行ってしまった。
「誰も知らない」でも感じたことだが、是枝監督というのは、自然体の子供の行動や会話を撮るのが異様にうまい。その無垢なイノセンスの潔さ、不可思議さというのものは、大人を時にハッとさせてしまう。自分が大人になってしまったという喪失感。それをこの映画から感じた。
なお、江角マキコの子供時代役で、吉野紗香がひっそりと出演していた。これも是枝監督の特徴だが、俳優の顔をしっかりとは決して映さない。特にチョイ役については、クレジットを見ないとなかなか分からないほどだ。吉野紗香もこれが映画初出演のはずだが、こんなにシリアスな映画でデビューしていたとは驚いた。
空間に対する許容量と相性
同じ浅野忠信出演作で例に出すと『珈琲時洸』や『ユメノ銀河』『地球で最後のふたり』『孔雀』『埋もれ木』などに近い空間を遊んだ作品だった
『アカルイミライ』で自殺した浅野忠信も『幻の光』で自殺した浅野忠信もどこかひとすじなわでは、いかない感じずらい見るものをひきよせる死に方・・
個人的には退屈してしまったのが正直な意見です
レールの彼方になにかを見たのか幸せさなか死んでしまったゆみ子の夫の死に対するなんらかの接触が欲しかった気がする
極力省き、それが逆にこの映画のよさなのは分かりますが、そのことに対してひたすらつっかかっていく映画なら退屈しなかっただろうと思う
空と海に挟まれた人間
この映画のロングショットはものすごい。
ビデオでは人間の姿が見えるか見えないかというところだ。
しかも画面が暗いから撮影に当たってはかなりの工夫が必要だったのではないか。
ロングショットは人間の運命の神秘を映し出す。
暗い風景の中で遥か遠くに捉えられた人間の姿に、非常に美しい音楽が
かぶさって未曾有の傑作となっている。
叢に灯る乾いた葬列
深く密かに渦巻く感情を、静寂とも寂寥ともとれない白い静けさで
ひっそりと撮り続けたような、是枝監督の最高傑作。
幼い頃、死に場所を求めて失踪した祖母。
幸せのさなか、線路の向こうに果てた夫。
自分が掬いきれなかった家族の死を抱えて生きる主人公を
感情のない眼でカメラが追います。
素晴らしい構図、長回し、音楽、演技も去ることながら
尼崎の濡れたような夜、輪島の乾いた厳しい冬の風景が
この上なく美しく切り取られ、主人公の心象風景となっていることが
この映画をここまで崇高にしているのだと思います。
特に後半で、粉雪の舞う海沿いの荒れ野をゆく短い葬列は、
叢にともる 乾いた黒い灯火のよう。
主人公がその後を誘われるようについてゆくシーンは圧巻。
冬の海で岩肌に焚かれた火の隣に佇む小さく黒い姿が
主人公の心の内を全て物語っており 恐ろしいまでに見事。
邦画は全く見なかったのですが、この映画だけは特別。
見えない大きな力と感情に突き動かされて、
最早 涙も出ず 歯を食いしばるばかりでした。
機会があったら、是非 ひとりで
部屋を暗くして 観てみて下さい。@
日本映画としては出色の出来
私は宮本作品のよい読者ではありませんが、この映画は素晴らしいと思いました。ギリシャのアンゲロブロスを強く想起させるものがあります。特に主人公が日本海を見ながら、「あんた、なんで死んだんや、、」とつぶやく場面、最後の「いい日和になりましたなぁ」と言いながら窓を磨くところ、一生心に残る場面です。
わたし、なんでここに生きてるんや、、と。
おそらく小津安二郎を痛烈に意識した作品
静かだが力強い作品
一見すると退屈だが、鑑賞後に様々な場面が甦り、感情を揺り動かす、
そんな作品。
ただし宮本輝の原作を読んでいないとセリフの無い静かなショット等での微妙な感情の移り変わりを感じるのはちょっと大変かもしれない。
DVDのジャケットから、日本家屋、ピローショット、そしてその反復、子供への優しい眼差し等、小津安二郎へのオマージュがあちこちに感じられる。
美しい景色の中で時も歩みを止める
幼女時代、目の前で祖母の失踪をとめることができなかったことを、女(江角マキコ)は背負って生きている。幼なじみの夫(浅野忠信)と、生まれたばかりの愛息子の存在が心に抱える闇を遠ざけてくれるが、彼女の時間はそれ以来進まない…そんなある日、夫が自殺する。どこか不思議な、まるでこの世にいながらどこか遠い彼方を見ているようなところのあった夫…しかし彼女にはわからない、贅沢ではないが三人で幸福に生きていたのになぜ?数年後、女は能登の意味沿いの寒村に後添えとして嫁いでいく。新しい夫(内藤剛志)やその娘、父(柄本明)らとの新しい暮らしが始まり、次第に慣れていくが、女は自らを責めつづける少女時代の闇は堰を切って押し寄せ、日本海の波の音とともに彼女をさいなむ。季節は巡るが、女は一歩も前に進めない…
「誰も知らない」の是枝監督のデビュー作。宮本輝の同名の短編を、作品が持つ雰囲気を損なうことなく見事に映画化した。美しい風景の中ゆっくりと心の傷と向き合っていく一人の女性を淡々と描き出している。人間すら溶けてしまいそうな静かだが饒舌な静止画は、多少冗長な気もするが、それを補って余りある美しさで観るものの息を呑ませる。動きはなく、どちらかと言えば写真に魅了されるところに近い感覚だが、そのコンセプトはこの作品にはプラスに働いている。すなわち、時の止まった女の心象風景を見事に描き出していると言えるだろう。
江角は女優デビュー作とは思えぬ堂々とした演技で圧倒的な存在感がある。浅野の持つ透明感は、彼の役にぴたりとはまっている。内藤、柄本も好演。陳明章の音楽は景色とあいまって静かな感動を呼ぶ。
幻の光
面白い
映像特典見るべし
原作に惹かれ、映画に惹かれ、2年前に能登のロケ地を探し出して行ってきました。細い海岸縁の道を降りていくと、そこには映画そのままのたたずまいの集落がありました。DVDの映像特典では8年ぶりに監督と、江角さんが、ロケ地を再訪しています。撮影に使われた家のこと、出演していた犬のこと・・
私は映像特典を見た後、もう一度本編を見ました。
