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太平洋戦争下のジャワ山中に建つ、日本軍の連合国軍捕虜収容所。そこでつづられる日本とイギリス双方の軍人たちの確執や奇妙な友情、そして残酷かつ美しい愛情の日々。大島渚監督が日英合作で描く、戦争ヒューマンドラマの傑作である。
キャストを見ても、デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし、トム・コンティ、ジョニー大倉、ジャック・トンプソン、内田裕也など豪華多彩。それぞれが持ち味をフルに発揮しながら、極限状態に置かれた男たちの心情を赤裸々に表現している。ラストで「メリークリスマス、ミスター・ローレンス」と唱えるビートたけしの大映しの笑顔は、映画史上に残る優れたショットでもある。坂本による音楽も大ヒットするとともに、世界的に高い評価を得た。(的田也寸志)
大島渚よ さすが見事な視点。
100.0% (1 / 1)
[No.10] posted by おじいさん
大島は戦場を舞台にこんな作品をつくっていた。大島らしい。
戦時中のジャワの捕虜収容所。タケシがきちんと役を果たしている。
オーレンスという日本で育った男がイギリスの文化と日本の文化の通訳を行っている。
坂本龍一も出てくる。
同性愛の問題も当然出てくる。戦場は人を狂わす。
日本が敗戦し、タケシがにこっと笑って死に場所にゆく場面は心憎い。
タケシがここから映画界の最高峰に登っていく出発点となる。
私達日本人にとっての『大いなる幻影』
31.3% (5 / 16)
[No.9] posted by 西岡昌紀
この映画の撮影が始まった時、監督の大島渚監督が、「ジャン・ルノワール監督の『大いなる幻影』の様な映画を撮りたい」と言って居た事を覚えて居る。(『大いなる幻影』は、ジャン・ルノワール監督が、第一次世界大戦中、ドイツの捕虜と成ったフランス兵達の人間模様を描いたフランス映画の名作である。)その『大いなる幻影』の最後で、脱走した二人のフランス兵が、こんな会話を交わす場面が有る。−−「この戦争が、最後の戦争に成るかな?」「お前の幻想だよ!」−−『大いなる幻影』と言ふ題名は、この会話から取られた物である。
この作品が、『大いなる幻影』に並ぶ作品と成ったかどうか、観る人の意見は分かれるだろう。しかし、少なくとも、あのラスト・シーンだけは−−ハラ軍曹(ビートたけし)の顔が大写しにされるあの場面だけは、−−『大いなる幻影』のラスト・シーンに十分匹敵する場面に成って居ると、私は思ふ。
(西岡昌紀・内科医/61回目の終戦記念日に)
「異なる文化」へのまなざしと受容
64.3% (9 / 14)
[No.8] posted by sou
この「戦場のメリークリスマス」は私が中学生の時にみた記憶がある。当時は坂本龍一の音楽への関心から足を映画館に運んだのだが、熱帯の重たい空気感とフィルムの色彩、音楽の美しさが印象的であった。ほぼ20年経過した今、改めて観直してみたが、多分に今日的な主題を持つ映画であると感じた。
本作は太平洋戦争末期における熱帯の島の捕虜収容所という閉鎖的な環境が舞台だが、そこでは過酷な戦争という環境において異なる文化的価値観(例えば、西洋と日本、キリスト教と国家神道、それらを背景としたセリアズの「罪」の意識とヨノイの「恥」の意識)を持った人々との対峙と葛藤が描かれている。この映画が優れているのは、その音楽や映像の美しさに加え、悲しい結果にもかかわらず異文化への理解を予感させるエンディングとなっている点であり、それを男女の愛情という月並みな枠組みに落とし込むのでなく、「文化の異質さと受容そのもの」を純粋に浮上させんがために、逆説的に戦争という価値観がぶつかりあうリアルな場とホモセクシャルな同性同士の交流が選択されたのではないかとさえ思える。この互いが異なる文化に立脚していても、それでも理解と受容は可能なのだというテーマはまさに今日的だ。
現在、日本では太平洋戦争時の映画が数多く制作されるようになっているが、同様に戦時中が舞台となっている「戦場のメリークリスマス」との質や内容の隔たりはどうであろう。昨今の戦争映画にお決まりの「愛するモノの為に死す」という構図の陳腐さについてはコメントしようもないが、問題なのはそういった構図の映画を受容する現在の日本の文化状況だ。その傾向に不安を感じるのは私だけではないだろう。おそらく現在、必要なのは「同質の文化」の称揚ではなく、まさに、本作「戦場のメリークリスマス」で描かれているような「異なる文化」へのまなざしと受容であるというのに。
対立を超え、心は通じ合う
65.0% (13 / 20)
[No.7] posted by 伊藤 窿
先日高校の授業で「日本史に関係のある映画で何が見たい?」と協議したら、意外にもこの『戦場のメリークリスマス』が第1位になったクラスがありました。思えば坂本龍一の楽曲は邦画のテーマソングの中で今日最も良く知られたもの、ということになるのかも知れません。彼らの映画の感想も非常に面白いものでした。何よりこの映画から「痛み」を共有し、戦争というものをリアルに感じたようです。平成生まれすらいる彼らをしてそう感じさせた訳ですから、この映画が時代を越えて訴える力を持った傑作であるということを再認識させられました。
この映画の核の1つにセリアズの回想の部分があります(そしてこれは従来の大島渚なら決して撮ることのなかった映像です)。美しいこの映画の中でもこの部分は一際美しく、そして収容所のシーン以上に見ていて辛くなるものがあります。一方でヨノイもまた二・二六事件の現場に立ち会えなかったという悔恨を抱えており、その意味で2人はともに救済とも言うべき「死」へとストイックに進んで行かなくてはならない業を背負っています。かたや弟に対する「罪」の意識から。かたや同志に対する「恥」の意識から。
この映画は全編を通してこの「罪と恥」というテーマに真っ正面から取り組んでいます。しかしこの映画がドラマティックなのは、最後にそのような対立を超えて、お互いの心が通じ合う所にあります。それは「共感と寛容・慈愛」とでも言うべきものでしょうか。まさに「ファーデル・クリスマス」がつないだ文化と心の架け橋です。死を目前にしたセリアズの髪を持ち去るヨノイ、エンディングのたけしの笑顔にみんな心奪われるのですが、対立の果てに辿り着いた心の通い合いを何となく感じるからこそ感動できるのでしょう。そしてそれは現代の高校生にも十分すぎるほどにアピールする力を持っている訳です。大傑作です。もっと多くの人に見て欲しいです。
耳に残る。。
5.3% (1 / 19)
[No.6]
さんざ、話題だったし何度もみた。
結構いいよねー。
でもさんざ話題だったから
「原軍曹アナタはやっぱり人間だ」
「今日はワタシ・・ファーデルクリスマス」
チャラララ・ラーン、チャラララララ、チャララララーン♪
ってのが「戦場のクリスマス」というタイトルとセットで記憶の中についてくるんだよね。
でも、再度見返すとこの映画の色は、好きな色なんだよねー。
えっ、ホントに2500円でいいの?
76.2% (16 / 21)
[No.5] posted by かっちり
場面の殆どが、日本軍の捕虜収容所という閉鎖的な空間のみで話が展開していきます。戦闘シーンはまったく無く、戦争の情勢下での”敵””人種”と言う壁を越えられない人間同士の友情のジレンマが交錯していきます。
個人的な印象ですが・・・
この映画はただ単に戦争という不幸を描いたのではなく、生と死、極限状態をきっかけとしてさまざまな人間の過去の後悔、それを越えられない悲しさ。そういった物を感じます。
226事件に参加できずに、多くの仲間を失った将校ヨノイ。
奇形を持つ弟を見放してしまった後悔を持つ英国軍人セリアズetc
ラストシーンでは取り返しのつかない戦争という後悔を悲しむ”ローレンス”と、その現実を受け入れた”ハラ”。この2人のシーンがとても印象的です。
ずーっと製品版のビデオで持っていたのですが劣化が激しく、今回DVDで購入しました。見違える様に映像綺麗です。
アングルや色使いなど、日本の監督って感じではなくヨーロッパ映画の匂いがしますね。音楽も凄くいいです。個人的に坂本龍一氏が好きなんでアレですけど・・・その辺を差し引いても素晴らしいと思います。映像と音楽のリンクが最高です。
これ2500円ってホントに安いですよ。買って損無し。
笑顔は良い味!!
70.6% (12 / 17)
[No.4] posted by 航太郎
戦時中のジャワ。日本軍の捕虜収容所。
そこでの人間ドラマ・・・。
これまで一度も観たことが無くて、今回DVDで初めて
観たんだけど、たけしの笑顔がすごく良いです。
歪んだ思想に冒された日本人を坂本龍一と見事に共演しています。
坂本演じるヨノイ大尉の同性愛的嗜好を、抑えた表現で演出してる
のは大島作品の真骨頂。
ラスト、たけしの「Merry Christmas,Mr. Lawrence」の台詞の時の
笑顔は最高ですね。音楽も良かったです。
一押し!!
100.0% (17 / 17)
[No.3] posted by 島ネエ
始めて見たときは、あのタイトルバックの音楽で一気に引きずり込まれ、今までこんなに泣いたことがないと言うほど泣きまくってエンドロール。この映画がなければ、今の巨匠北野は存在しなかった!
とにかく彼らの共通点は兵士であるということだけだったんですね。
そこに個人の感情は存在しないんです。だから敵国の将のローレンスに対しても、ハラは、憎しみと言うよりある意味尊敬の念を抱いている。でも戦時下ではそんなことに何の意味もない。
それが、セリアズの存在により、かき回されていく。優れた腕と美貌を持った兵士、セリアズ。(ディヴィットが若けりゃ文句は無かったのに!!ここがホモセクシャルだと言われる所以ですが、そんなに簡単な話じゃない!)俘虜収容所の所長のヨノイは、ハラと違って教養もあり、戦争に死に場所を求める生粋の軍人だけど、彼もまた、セリアズに対して尊敬の念を抱く訳です。
でも、『ジャック・セリアズ』とは、じつはただのきっかけにすぎなくて、彼らはお互いの心に感情という『種』を蒔き合うことになる。
例えそれが実を結ばない種であっても、お互いが兵士である前に人間同士であることに気づく瞬間があるわけです。しかし、残酷なことにお互いを理解しあう時間さえも戦争は奪っていくのです。
その、やるせなさ。たけしさんの最後の笑顔がすべてを物語っています。
戦争が殺した日本人の精神
82.4% (14 / 17)
[No.2] posted by ぱぱぱぱ
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精神の戦争
70.6% (12 / 17)
[No.1] posted by こんたん
初めて観たのは中学生の頃…。暫くの間、たけしの笑顔が忘れられなかった。
これは人間同士が殺しあう戦争映画ではない。人間の精神、宗教、美意識の戦いを描いた作品だ。そしてその結果を観ている私たちに問い掛けてくる。私はこの映画を数え切れない程観たが、たけしの笑顔にいつもだまされてしまい、答えがみつからない。