5番ゲートでつなぐ日韓交流
[No.31] posted by katsuya30
佐々部監督は「カーテンコール」でも同じテーマを取り上げていたが、原点は2002年に撮られた本作である。日韓関係を描くと、大抵の映画は「最後に握手して終了」的な穏やかな作り方になるが、佐々部組は脚本上で無理に解決策を得ようとしない。「差別」は存在したままだが、人対人の思いの中では、そんなの関係ないんだよ、という作り方。このあたりに佐々部監督の地力を感じる。物語は4人の女子高生の視点で進んでいくが、まだ上野樹里もブレイク前であり、扱いも助演格である。「やっぱり当時から凄いと思っていたんだよなあ」という輝きは正直まだない(笑)。桂亜佐美はインディペンデント作品で順調にキャリアを積んでいるかな、と思うが、主演格の水谷妃里はちょっと伸び悩み気味ではないか。近年はヘンテコホラー出演も多いし。もう一頑張りしてもらいたいところであるが、佐々部監督も組む気はないのかなあ。それはさておき、物語は郁子と安の5番ゲートでの再会で終わる。このラストシーンは良かった。「なごり雪」との関連性が少しわからない部分ではあるが、映画的カタルシスは充分のラストであった。DVDは特典映像も満載で、お勧めである。
ディテールにまでこだわった至高の青春映画
100.0% (1 / 1)
[No.30] posted by こーず
良い映画でした。
以下すべて蛇足。
大まかな部分に関しては他の方のレビューの通り。
純粋で、さわやかなロマンチックな物語だった。
ただこの映画はそれだけではない。
細かい演出が物語りに深みを与えている。
まず最初と最後のセピア描写、あれは本来の描写なら逆にするべきのはず。
しかし、あえてそれを逆に使ったのはおそらく彼女たちの「輝き」のせいだろう。
彼女たちの最も輝いていたとき、それを強調したいがために
あえて色あせた描写を使ったのだろう。
そして最後の場面でもカラーの描写が採用されなかったのは、
おそらくあの時代の「輝き」を取り戻すことが無かったからだろう。
次に新聞配達の場面である。
夏秋冬、そして春。彼女はそれを続け同じ行動を複数回描写している。
あれは、気持ちが動く彼と、変わらない彼女の対比だろう。
同じ描写をすることで彼女の想いが不変であることを示した。
私が気づいたのは以上2点。
仕掛けはまだまだありそうだ。
奇跡の昭和テイスト
100.0% (1 / 1)
[No.29] posted by チェリーボーイ
70年代の話を再現した映画ではなく、70年代に作られた映画を観ているような
錯覚に陥る、奇跡のテイスト。
なのに、上野樹里が出てるのだから、これはもうスゴイことなのです!
いつかお互いが分かり合えるといい
[No.28] posted by 久保田真史
本作品の舞台の1970年代は今よりももっと日本に対しての規制が厳しかったんだと、本作品を見ると分かりました。今では日本人歌手が韓国などでコンサートなどを開くことはよくあることなので、日本語の歌を歌うととめられるなんて信じられません。しかし、まだ完全に韓国が日本に対して門戸を開いたわけではありません。いつか安君が言っていたように日本人と韓国人が、いや世界中の人が分かり合える日が来ることを願ってやみません。
本作品の主題歌イルカの「なごり雪」を聞いていた世代の人はきっと見やすい映画だと思います。本作品の郁子の父親のように韓国に偏見を持っている人にも見て欲しいです。
コンキチ&ナターシャの絵本ナビ
75.0% (3 / 4)
[No.27] posted by コンキチ&ナターシャの絵本ナビ
陸上部員郁子は、自分と同じく高跳び競技をする韓国人の
男の子に出会う。ふたりは七夕に会う約束をするが・・・・・
日韓の間でゆれる恋です、ロミオとジュリエットをベースに差別と偏見に
日本の女性らしく美しく立ち向かう作品です、瑞々しく下関を舞台にして
対岸の釜山との対比も素敵ですが、在日との対立をオブラートに包むような
表現でお茶を濁す演出をした監督をいぶかしげに観ている観客のことを考えると
複雑な後味ですね、素直に見れば美しい作品ともいえます、ひねくれた感想です 笑
上野樹里という女優はこの映画から「スゥイングガールズ」の主演を獲得しました。
邦画青春映画の佳作
50.0% (1 / 2)
[No.26] posted by rouhu
細かい点で指摘できる点はあるかと思う。
例えば真理の妊娠騒動の部分は違和感を感じた。そんなにあっけらかんとできるコトかな?
特に田舎の高校生(しかも70年代)に。
でも、それでも全体を通して、邦画青春映画のいい雰囲気を出せていたと思う。(人によってはそれが駄目、と思うかもしれないが)
ラストシーンも、二人の会話は勿論、相手の顔さえ見せないトコがいい。
個人的には「なごり雪」は悪くないと思う。
時代的なもの、そして「去年よりずっと、キレイになった」の詞が、二人のためにある、みたいにも思えた。
韓国との関係も、あれこれ想像はできたので、細かい情報は画面を通じて伝わる部分だけで十分。
これ以上情報を細かくすると、映画の方向性が変わってしまう。
あくまで恋愛(青春?)が中心の良作です。
本当の演技、一生心に残る映画
100.0% (6 / 6)
[No.25] posted by いいちこ
よく、あの役者は演技派だとか、演技力がすばらしいとかいう。もし役者が自分の実態とは違う役割を巧みに演じるのが演技力なら、この映画に出てくる四人の女子高生の演技力はさほどのものではない。しかし、実際にこの映画を見た人の多くは、四人に魅了される。なぜなら彼女たちの演技がひたむきだから、等身大の自分を演じているから。
醒めた目で見れば、一番うまいのは準主役(真理)の上野樹里である。堅苦しいところが全くないし、ギャグのセンスも光っている。ただ、この映画の「顔」はやはり主役(遠藤郁子)の水谷妃里だろう。走り高飛びがすばらしいだけではない。喜怒哀楽の表情に不自然なところが全くなく、ストーリーの展開にうまくあっている。
ストーリー自体は単純である。下関と釜山の親善陸上競技大会で知り合い、一目惚れで恋に落ちたふたり(郁子とアン・デホ)。一年後の再会を誓い続く文通。双方の親の反対。意気消沈し陸上をあきらめようとする郁子、それを引き止める親友の三人。一年後、競技場で再会できたふたり、一夜限りのデート。そうして、二十数年後の奇跡・・・
映画をみてから、監督があえて知名度や演技力より運動能力を重視してキャストを選んだことを知った。水谷妃里がすばらしいことは既に書いたが、上野樹里の走る姿もなかなかのものである。また、四人の個性に合わせて脚本を手直ししたとも書かれていた。どうりで水谷妃里の表情とストーリーがよくあっているわけだ。
長府の古い町並みと水谷妃里が新聞配達でさっそうと走る姿、郷愁を誘う70年代の歌謡曲と主題曲等、見どころ、聞きどころも多い。70年代に青春を過ごした人でなくてもきっと心に残る映画になると思う。
主人公より目立つ
85.7% (6 / 7)
[No.24] posted by 龍女
上野樹里は主人公郁子の3人の親友達のリーダー格、真理。郁子と安君とは対照的な恋愛をして、コメディリリーフとして活躍する。既に演技が上手いので、ビックリする。このタイプの女の子は高校時代の同級生にいた。まだ十代なのに母性が強い。それでいて年相応。
彼女が今演じているのだめはワンピースが特徴だが、真理もワンピース。似たような衣装だが別人に見える凄さに脱帽。きっとその場の空気を掬いとるのが上手いんだろう。トラブルメーカーぶりはスウィングガールズの友子に受け継がれたようだ。
多分上野樹里の天才の萌芽がここに存在する。
懐かしいあの頃の思い出が甦る
100.0% (5 / 5)
[No.23] posted by jtケン
以前からこの映画の評判は聞いていましたが、初めて見て心から感動しました。人を好きになることは本当に素晴らしいことだなと、改めて思いました。
歳を取ると若い頃のことを思い出すことはあまりありません。しかし、このような映画を見ると遠い昔の思い出が鮮やかに甦ります。
私は今日の日本の映画やドラマのいくつかはとても質の高いものであると思います。日本は豊かな国になりそれと共に失われたものも数多くありますが、日本人らしい感性がまだこのような形で残っていることを嬉しく思います。
出演者の方々の演技は多少未熟かもしれませんが、それがかえって新鮮で映像をより現実的なものとしています。
意図的に作られたというよりもむしろ奇跡的に生まれたと言ってもよい、実にはかなく美しい物語です。
日韓の70年代緊張時代のロミオとジュリエット
85.7% (6 / 7)
[No.22] posted by 脱舌
主人公の日本人の女子高生と、韓国人の男子高校生が、日韓の関係や恋愛話をする手紙のやり取りには、嗚呼、純愛。
上野樹里がデビューしたての頃の作品なので、準主役だけど、彼女の元気パワーが全開しているのが、高校生時代に戻りたいと思った。
メジャー配給会社の製作作品ではないので、「チルソクの夏上映委員会」が全国行脚で上映会を地道に続けてきた作品。待望のDVD。未だ、どこかで「チルソクの夏」を地域の公共施設等で上映しているかも