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1941年度アカデミー賞作品 / 監督 / 助演男優(モーガン老役のドナルド・クリスプ) / 黒白撮影 / 黒白美術 / 装置賞を受賞。時の20世紀FOXの総帥ダリル・F・ザナックがプライベートで製作、映画史上最大の巨匠とも呼ぶべきジョン・フォード監督が、自らの少年時代の想いも込めて演出に当たった、これぞ映画の誉れというべき極上の名作である。
舞台は19世紀末の英ウェールズ地方。貧しいながらも平和な日々を過ごしたいた炭鉱夫モーガン一家。しかし経営者が賃下げを断行したことから、家族はやがてバラバラになり、次々と不運に観舞われていく。とめどもない悲惨なドラマを、モーガン家の末っ子ヒュー(ロディ・マクドウォール)が回想。しかし、その視線はあくまで美しく誇らしいもので、ラストで彼が語る一言がタイトルになっている。暗いトーンの中で一カ所に光を当てた画面構図が「どんなにつらくとも人生とは素晴らしいものだ」というメッセージを明確にしている。涙の後にすがすがしい感動と生きる希望を観る者にもたらす真の映画。これぞ真の傑作中の傑作であり、映画芸術の頂点。癒されたいなどと甘える暇があったら、この映画を観るといい。(的田也寸志)
昔はこんなに真面目で純粋な映画があったのです
75.0% (3 / 4)
[No.3] posted by ジャコウウシ
個人的にはジョン・フォードの一番好きな映画。今まで何度観たかわからないし、観るたびに何度も大泣きしてしまう、1941年製作の超名作。
20世紀初頭の英国のウェールズ地方の炭鉱町の物語。一家七人慎ましやかに、朗らかに暮らしているモーガン一家だが、化石燃料が石炭から石油に移行するにつれて、やがて平和な町にも石炭不況が訪れる。そしてリストラや落盤事故などで、一家は離散を余儀なくされる。そのことを一番下の息子のヒューの視点から極めて抒情的に描いている。
私が一番泣ける場面は、組合の集会に抗議に行った母親とヒューが、帰り道で凍てついた沼に落ちてしまう。なんとか命は助かるが二人とも冬の間寝たきりになる。春になってやっと回復したら、大勢の山の男たちが仕事の帰りに縦隊を組んで歌いながらお見舞いに来る。フォード演出の遠めのキャメラポジションが絶妙。感極まる母親に夫が何か言うように催促すると、彼女のセリフが
「さあ、中に入ってご飯を食べていって」
なんです。こうやって思い出しているだけで目頭が熱くなってしまう。崇高なまでの人間讃歌。現在のハリウッド映画では絶対に作れない格調の高さがある。必見です!
人生のパワーをもらえるような映画です
75.0% (3 / 4)
[No.2] posted by ビバ!メヒコ
1941年はゲーリー・クーパー主演の『ヨーク軍曹』とこの『わが谷は緑なりき』が
ヒットした年で、アカデミー賞でも2分するぐらいの人気となった。そして、
フォード監督にとっては、前年のヘンリー・フォンダ主演の『怒りの葡萄』と合わせ、
2年連続のアカデミー監督賞に輝いた年でもある。
19世紀末の英国は第二次産業革命の終焉の時代で、それまで英国産業革命の推進役
でもあった石炭も石油へのエネルギー革命によって衰退する時期を迎えていた。
英国は石炭が豊富でウェールズ地方は製鉄業で栄えていた。そんなある炭鉱の村の
光と影を壮大に移したのがこの作品です。単純には炭鉱で支えられてた村にも不況の
嵐を迎え、さらに炭鉱に付き物の災害が襲うという設定はとても時代を反映し
リアルにとらえられている。
主演の2人よりも助演のドナルド・クリスピとサラ・オールグッドの父母役が
すばらしい。一見家父長的に映るモーガン家であるが実は母親の力強い存在と
上手く絡み合っているところがよくでていた。
この映画を観終わって振り返れば、人生の全てがここに凝縮されていることに気づく。
特に人間愛を前面にどんな困難なことにも負けない不思議な力がこみ上げてくる感じだ。
キャスト陣が地味な分、この作品にめぐり合う方も少ないと思うが、是非おすすめの
一品です。
名作です!傑作です!
76.5% (13 / 17)
[No.1] posted by ローズ・レッド
西部劇で有名なジョン・フォードによる、『怒りの葡萄』に続く文芸映画です。ウェールズの炭鉱町に住むモーガン家の末息子ヒューの回想、という形でリリカルに綴られており、あたたかい家族が織り成すドラマに、最後まで引き込まれてしまいました。この物語では、炭鉱のストライキ問題をはじめ、失業、村八分、意にそぐわぬ結婚、いじめ、心ない噂など、様々な苦難が一家を襲います。こう書くととても重苦しく聞こえますが、そんな中でも家族が寄り添い、励ましあい、一生懸命苦難を乗り越えていく様子に、何度も何度も涙ぐみました。どちらかといえば決して裕福ではなく、悲しく辛いエピソードも多いのに、なぜかこの映画を見ると心が洗われ、すがすがしい気分になるのです。
実は最近まで、私はこの映画のことを全く知りませんでしたが、今では一番のお気に入りです。物語の内容は素朴ですが、まさに名作、傑作と呼ぶにふさわしい作品だと思います。ぜひぜひ観て下さい!