グッドナイト&グッドラック 通常版 [DVD]

  • [監督]ジョージ・クルーニー
  • [俳優]デヴィッド・ストラザーン
  • [俳優]ロバート・ダウニー・Jr.
  • [俳優]パトリシア・クラークソン
  • [脚本]グラント・ヘスロヴ

カテゴリ:
DVD (93分)
発売元:
東北新社 (2006/11/22)
定価:
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評価: 4.5

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ジョージ・クルーニーによるこの監督2作目は、彼の父親がテレビ業界にいたこともあって、念願の企画であった。1950年代、赤狩りによる共産主義排斥が進むアメリカで、その急先鋒に立つマッカーシー上院議員を訴えるニュース番組を作る苦闘をみつめた骨太ドラマ。実在のキャスター役、デビッド・ストラザーンの名演もさることながら、本作には監督クルーニーのセンスが光り、社会派のテーマであって、作家性の強いアートフィルムの香りも漂っている。
ポイントにジャズの名曲が流れ、タバコの煙などもスタイリッシュにとらえたモノクロ映像が美しい。ファッションの細部まで時代を再現するなど、あちこちで作り手の誠実さが伝わってくる。そして歴史の強烈な断面を、わずか90分にまとめあげた構成も賞賛に値するだろう。おもしろいのは、他者の不合理な行動を告発するテレビ局側も、内部に差別的な状況があったことを伝える脇筋のドラマ。ここにもクルーニーの客観的になろうとする見識が活きている。他人だけではなく、自分の欠点も見つめ直すべきなのだ。とにかく監督としてのクルーニーは、俳優としての彼より何倍もカッコいい!(斉藤博昭)

2008
12/14
Sun

[No.11] posted by komochishishamo

 伝記もの(?)にしては語り過ぎないクールな演出、モノクロによってより引き締まるデヴィッド・ストラザーンの格式高い表情。スタンダード・ジャズがほんわかと温かく、鳥越さんや櫻井よしこが好きそうな、ジャーナリストって、テレビって何ぞや的内容と、確かに良く出来た作品でした。確かに。でも、映画として何か心を動かされる発見があったかというと、それが圧倒的に足りなくて、いまいちガツンと来なくて寂しかったのが率直な今の感情です。

 「テレビが逃避と娯楽しか伝えないのだとしたら、それはメカの詰まったタダの箱だ」など、冒頭と結びで辛辣に繰り出されるマローの言葉は、50年経った今の方がむしろ有効な警告であると同時に、当時テレビから干されてしまっていたマローの恨み節ともとれるんですが、私としてはこの危機感をもっと映画として熱く伝えて欲しかったんですね。単にそのスピーチの再現ではなく。ちょっと渋すぎるし、愚民にメッセージを伝えるには説明不足だし、ジャーナリストや、そう「ぶりたい」人々が絶賛するだけの自家中毒映画に陥っていませんでしょうかと。テレビが題材なだけに、以前深夜にやっていた「CBSドキュメント」で十分事足りちゃった側面もあります。

2008
11/28
Fri

歴史映画であると同時に今の時代に問題提起

[No.10] posted by トビアス

 マッカーシーとか共産主義だとかよくわからない歴史上の人物や用語が出てきて映画の内容はあまり理解できませんでした。観る前にこの映画の時代背景やストーリーなどを知ってから観ないと理解できないと思います。しかしこれだけは伝わってきました。

「報道を退廃させてはならない」

ということ。今の時代は視聴率を取れればそれでいいという時代。ゴールデンタイムにはせめぎ合うように娯楽番組が流れます。しかし昔は違った。テレビという媒体を通して討論し議論する。よい国を作るために番組を作る。そういう人々の熱意が描かれています。歴史映画であると同時に、今の時代に対して問題提起をしている映画ではないでしょうか。

2007
08/19
Sun

この映画に描かれて"いない"ものはなにか

33.3% (1 / 3)
[No.9] posted by hannel

この映画には大衆娯楽として決定的に欠けているものがある。恐怖に対抗するヒーローを描いているにもかかわらず、「盛り上がりがまったく無い」のはなぜか、わかるだろうか? それに気づいて初めてこの映画を「視た」ことになるのである。気づきもしないでただ賞賛するのは製作意図に敵対しているのであり、あなたはまさにマッカーシズム側の人物であり、マッカーシー同様にお調子者ということである。

この仕組み(描かないことにより主張する仕組み)を映画で実現することは実に難しい。それは活字では可能だが、映画自身が本来持つ性質に反しているのだから。
製作も脚本も、映画(界+テレビ界:要するに視覚メディア)自身にとっての最大の難題を克服できただろうか。何とかこなしているといえるだろう。正直私の想像力では、確かにこういう描き方にしかならないだろうと思う。物足りなく思うのは、マスコミは敵に利用されただけで、マッカーシー失脚に何の貢献もしていない、という史実に由来すると解釈しておこう。致し方ない。
マッカーシーは、弁舌(ウソ八百)の才能により、多数をその職から引き剥がした。当人の失脚は、調子に乗って軍幹部に手をつけた結果、その怒りに触れたからであって、メディアがマッカーシーを葬り去ったわけではない(代わりに子分だったニクソンに意趣返しをした)。マッカーシーが「アメリカ史上最低最悪のデマゴーグ」だったのは、後でわかったことである。
時期を選んで製作してしまったのが、決定的に悔やまれる。ここに描かれているエド・マローは、その機敏さにおいてこそ偉大だったのだ。「ジャーナリストは、歴史の最初の記録者である」(リップマン)を地で行った。一方この映画は完全にあと知恵である。2002年「ハリウッド映画人による戦争反対決議」に、製作者は参加したのだろうか? 2005年まで何をしていたのだろう。

2007
03/03
Sat

クルーニーが「父へ捧げた作品」:正義と信念を貫いた男の勇気に感動

85.7% (6 / 7)
[No.8] posted by ナットウ

ジョージ・クルーニーが、2005年「シリアナ」撮影の直後の作品。ニュースキャスターだった父へ捧げた作品であり、お金が目的ではなかったという。彼自身が自分の信念を貫いて製作したという意味でも、非常に味わい深い感動の作品。彼の言う「この作品の対極に位置する作品がオーシャンズ12」という意味も大いに理解できる。

「エド・マロー」役のデビッド・ストラザーン56歳。時々ちらほらお見受けしていたが、主役級の大役は初めてでは?実力を発揮できるやりがい有る作品にやっとめぐり合えたようですね。

「赤狩り」の1950年代が、白黒というモノトーンの映像で語られる。脅しに屈せず、ジャーナリストのあるべき姿を貫き通したニュースキャスター「エド・マロー」とプロデューサーの「フレッド・フレンドリー」が、タバコの煙で真っ白になった部屋の中で“マッカーシズム”に真っ向から対峙する決心をした意気込みが肌に伝わってくる。

シリアスドラマは時として「一般人」には非常に判りにくいものがある。
これは判りやすい部類に入るのではないか。
多くの人々が感動した一番の理由ではないか。

2007
02/12
Mon

俳優はいいけど

18.2% (2 / 11)
[No.7] posted by サルヲ

テーマは赤狩り(マッカーシズム)。興味深いテーマだし、俳優はいいし、(ロバート・ダウニー・Jrも出てる)、アカデミー作品賞にもノミネートされてるので期待してたが、イマイチ深堀りされてなくて、ドラマの焦点がズレてたような気がする。

2006
12/19
Tue

魅力的な社会派作品!

75.0% (6 / 8)
[No.6] posted by penny−a−liner

揺るぎ無い信念に基づいた力強いメッセージを、極上のエンターテインメントにして魅せてくれるところが秀逸です。
硬質な題材を扱い、無駄を極限まで省いていながら、醸し出される雰囲気、.....放送現場の緊張感、モノクロ映像を浮遊する煙草の煙、静寂に挿みこまれたJazz,jazzjazz,.... 溜息が出るほどクール!
卓越した存在感で主人公エド・マローに扮するデヴィッド・ストラザーン始め、1950年代に溶け込んでいる脇を固める俳優全てが渋く、素晴らしい。監督ジョージ・クルーニーの才能に脱帽である。
そして、紛れも無く50年後の現代に向けたものであろうエド・マローの『報道の良心』は、重いメッセージとなって心に語りかけてくるのだ。

2006
11/25
Sat

どこまでもフェアで冷静

70.0% (7 / 10)
[No.5] posted by ぐっどらっ君

 50年代のアメリカにおける赤狩りの時代に、それを主導したマッカーシー上院議員に異を唱えたCBSのニュースキャスター、エド・マローと、そのスタッフの物語である。
 言葉と映像を駆使した、メディアによる戦いの駆け引きの面白さに、強く惹きつけられた。
 中世の魔女狩りさながらに、共産主義者のレッテルを貼った人々を追い詰めていくマッカーシーに対し、マローたちはあくまで冷静にフェアなスタンスで論戦を繰り広げていく。それが、極めてクールでかっこよく痛快だ。
 シーンのほとんどが室内とインタビュー映像で展開されているにもかかわらず、たまらないほどスリリングなのだ。
 マッカーシーや、彼に告発された人物たちの実際のモノクロ映像を使い、それに合わせて、ドラマシーンもモノクロで描くという、臨場感溢れる手法による効果もあったと思う。
 語り口のうまさが、何よりも魅力的だった。

 この作品を、権力の横暴に立ち向かうメディアの正義の勝利と単純に見ることもできるだろう。
 むろん世の中はそんなに簡単なものでなく、日々起こる様々な出来事の中には、メディアの横暴もあれば、不用意にメディアが大衆を扇動しているケースもある。
 何が正しく何が誤っているかは、単純な図式で決めつけずに、出来事ひとつひとつについて、その都度きちんと考えていかなくべきことだろう。
 作品では、主要人物のひとりが「自分たちは本当に正しいのか?」と問い直すシーンがあるが、それこそまさに健全なことだと思う。
 常に客観的で公正な態度で、真実に向き合おうとする、キャスターたちの姿を描き切っていることが、この作品と、薄っぺらい正義感を押し付ける凡作とを峻別している。

2006
11/25
Sat

飛び切りクールで、男たちが凛々しい骨太の社会派ドラマの快作。

69.2% (9 / 13)
[No.4] posted by hide-bon

クールな映画である。男たちが凛々しく、そして、熱い連帯を感じさせる映画だ。ジョージ・クルーニー、中々やるじゃないか!!冒頭の、WBのモノクロマークから、飛び切りムーディな"WHAN I FALL IN LOVE"が流れる中、黒地に白文字のクレジット、モノトーンの色調とスロー&メロウなカメラの動きから、そのクールさに、思わずため息が出てしまう。今作は、50年代のアメリカを襲った忌まわしい「非米活動調査委員会」によるマッカーシズムを扱っている。朝鮮戦争が始まり、ソビエトを中心とする勢力と闘うアメリカにとって脅威(=恐怖)の対象であった共産主義者を駆逐し、思想を弾圧しようとする国家権力。自分のみならず、身内が何らかの関わりがあると疑われただけで召喚され査問を受け、仲間を売って、転向すれば社会復帰の道が残されるが(なんて人間の弱さにつけ込んだ手法だろう)、証言を拒否すれば投獄されると言う恐怖の弾圧に対して、"思想、言論の自由"の名の下に、それに屈せず、召喚者を擁護し、自由を守る姿勢を貫き、議長であったマッカーシーのファシストぶりを報道し続けたエド・マローたちの気骨ある生き方にシビれてしまう。劇中マローが述べる、「危ない本、異端な人物、変革の気持ちがなくなってしまったら、世界は恐怖で支配されてしまう」との言葉、同感です。デビッド・ストラザーン、名演!オン・エアーの終了直後に見せる幾つかのその表情の見事さは必見。ダイアン・リーブスがシンガー役で登場し、スタンダードを聴かせてくれるのも、jazzファンには楽しい。そして、モノクロの画面に引き立つスモークの香り、久しぶりに酒を片手に煙草を吸いたくなってきた(笑)。

2006
10/06
Fri

すばらしい作品です

50.0% (4 / 8)
[No.3] posted by stinkie

ジョージ・クルーニーは「ER」のファンなので憎からずな俳優さんなのですが監督業なんて人気に乗じてやってるくらいに思ってたのが、この作品でなんと優秀な監督なんだと敬服しました。90分という短めな所要時間なのに物凄く濃い、でも無理がない構成で丁寧、かっこよすぎるのに自然。褒め言葉しかでてきません!

2006
09/28
Thu

アメリカ合衆国の良心を

66.7% (6 / 9)
[No.2] posted by tracy bond

内容ももちろんすばらしいのですが、50年代の空気が懐かしいです。今ではニュースキャスターが放送中にタバコを吸うなんて絶対に有り得ないでしょう。社内結婚禁止だったのに結婚している二人、それを見て見ぬふりをするチームのメンバー達。そして素敵なジャズがずっと流れます。

赤狩りと言うのは現代の魔女狩りだったのだと聞いた事があります。恐いですねえ。その魔女狩りに立ち向かうマーローチームの活躍とそれに対するテレビ局側の対処はこの作品のコントラストになっています。
もちろん俳優達もすばらしいです。

なにはともあれいろんな人に見て欲しい、渋くてちょっと辛い映画です。


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