原作を読んだ人も、読んでない人も楽しめる作品
[No.18] posted by 乱読ヤモリ
久しぶりに買う気になったアニメだ。
まず作画に感心したが、それ以上に脚本がよく練られていると思う。全13巻を通して見ると、随所にいいセリフが出てくる。それは、原作を敷衍したものであったり、オリジナルなものであったりするが、なかなか小気味がいい。
人にもよるだろうが、私は親子関係を考えさせられた。原作でも、それはあるていど見えるのだが、このアニメでは『こういう親子の会話っていいよな』と感心させられるオリジナルのセリフが、いくつもある。
むろん、バルサとチャグムのやりとりである。本作は、それで買ったようなものだ。
それはそれとして、このアニメは食べ物がうまそうということが話題になっているようだ。確かにそうだろう。第1話でいうと、バルサが二ノ宮に招かれて出された晩餐の膳の数がすごくて(九つあるようだ)笑える。こういうところが文字とアニメの違いでおもしろい。作家という人たちは、原作付きでもどこかで遊ぶ。
原作を読んだ人も、読んでない人も楽しめる作品だと思う。
生命力がほとばしるアニメーション
100.0% (2 / 2)
[No.17] posted by mariou
まずは、このように志の高い物語を作ってくれたことを製作者に感謝したい。
精霊の守り人はファンタジーアニメでありながら、主人公バルサの強さは絶対視されない。
腕っぷしは1話でチラリと見せる程度で、製作者が見せたいのは2話の買い物シーンなのではないだろうか?
皇子を刺客より守るため山越えを決意するバルサであるが、そのためには専門の道具が必要だ。食料、毛皮、etc・・その品定めを街に住む少年、トーヤに任せる。
定価が表示され、均質の既製品が用意されている世界ではない。
良い商品を迅速に、かつ安価に購入できるか否かは交渉次第だ。
トーヤはその能力をもってバルサの役に立ち、信頼を受けている。
普通のアニメーションでは、このような見せ場として貧弱すぎる場面は描かれない。
端的に言うと、戦闘シーンと比較して退屈すぎるからだ。
登場人物の戦闘能力が全ての世界では、トーヤのような痩せた少年は無価値と断ぜられるだろう。背景としてすら描かれなくともおかしくない。
しかし、精霊の守り人2話において、間違いなく主人公はトーヤだ。
強いわけでも、美形でも、世界を救う運命を背負っているわけでもない市井の少年に、光が当てられているのだ。
主人公というだけの理由で周囲を好き勝手にかき回す事が許されるアニメに食傷気味の方。
生活感や、肉体を感じないキャラがビームを連射して、次のカットでは敵が爆発しているような、製作者に都合の良い世界観に飽き飽きの方。
精霊の守り人は本物だ。かといって押し付けがましくも難解でもない。
娯楽性とリアリズムが高いレベルで両立されている、極めて質の高い痛快活劇だ。
老若男女を問わず、強くお勧めしたい。
混合的アジア世界
100.0% (1 / 1)
[No.16] posted by donkobune
最初のシーンを見た時、「また中華風アニメか」と思いました。しかし、見ていくと、そこはアジアを混ぜ合わせた世界が広がっていきました。チベット高原を思わせる雄大な山岳地帯から物語りは始まります。と思ったら、中国江南地方を思わせる田園地帯、服装は中国風、しかし、靴を脱いで畳の上に上がるのは日本風です。人々の髪型はかつての沖縄を思わせます。バルサはポニーテールですけれど、チャグムの髪型は弥生時代の「みずら」風です。
描かれたモノをみると「あれは中国、これは日本、それは韓国」と、言い当てることができます。
亡き8人のため
40.0% (2 / 5)
[No.15] posted by X0
偕成者社刊・上橋菜穂子原作『精霊の守り人』TVアニメ第1,2話を収録したDVD1巻です。
「ミニパト」「攻殻機動隊S.A.C」の神山健治監督期待の新作でもある本作。
古めかしくも穏やかな中国のような舞台と3D、2Dを合成させた奥行きのある背景美術、
リアルタッチのキャラデザと凛とした主人公バルサの生き様が世界観を彩っています。
(総合6.5/10点)
第一話「女用心棒バルサ」★★★★☆7/10点
皇族の内乱に巻き込まれるバルサの覚悟と自分を見据えた生き方の描写が見事です。
金銭の有る無しで変わる人生観、死者に報いるための用心棒家業など彼女の実直さと
強さ、キレ者ぶりがよく伝わってきます。・・・バルサが攻殻S.A.Cシリーズの主役
草薙素子に見えてしまうのは私の気のせいでしょう。たぶん。
第二話「逃げる者追う者」★★★☆☆6/10点
バルザとチャグムの逃亡劇の始まりです。彼女の覚悟と用意周到な判断力に
引き込まれます。緊急事態でも柔軟に対応できる仲間との絆の深さがいいですね。
憑き物に絡む皇族の政治背景を描かれ、本作の核が見え隠れする展開に期待がかかります。
期待感大
60.0% (3 / 5)
[No.14] posted by sensitive‐SENSE
完全にファンタジーの世界でありながら、そこかしこにこの世界のリアリティを物語ってくる要素があり、視聴者をこのアニメの世界にぐっと引き込む力があります。
しかし一番私が興味を持ったのは、主人公バルサの設定です。大人が主人公というアニメは昨今では新鮮な気分を与えてくれますし、実はこういうものこそ、一つの作品として世界観や織り込まれたメッセージを、アニメと言う枠にとらわれずにリアルに受け止められるのだと思います。
冒頭部分で駄作と判断できる親切な作品
3.8% (3 / 80)
[No.13] posted by 佃煮ボンバー
「もう、30か…」
冒頭部分、主人公の女剣客のつぶやきで世界観は破綻した
その感慨は極めて現代的であり、キャラデザも若々しい
『商業的な理由』は理解できるものの、この一言と女剣客の容姿によって、
私の中に疑問が生じる
「この世界の平均寿命ってどのくらいかな?」
「80は超えてるんじゃないかな?」
そんな状態で、100年周期の異変や途切れた伝承を描かれてもねぇ
説得力がなさすぎます
監督の描きたい女性像は理解できるが、題材は選ぶべきでしょう?
ちなみに冒頭のセリフは原作にありません
重厚壮大
88.9% (16 / 18)
[No.12] posted by 空を飛ぶネコ
三菱商事が中心となって設立した「日本製アニメ投資ファンド」の最初の投資となったエポックな作品。
大資本がビッグビジネスとして展開を始めた記念すべき作品に恥じない、そして現在の日本アニメの正当な実力を示すにふさわしい作品です。
どの程度の潤沢な資金が使われたのかはさ定かでありませんが、戦略的な投資が行われたことは確実です。
眼を付けた作品(原作)もまさに今後も安定した続編が期待できるものであり、今後数年にわたってファンをひきつけて離さないものになるでしょう。
一度として作画が乱れることも無く、背景の書き込みやスケール感の壮大さはTVアニメの枠を超えていました。
戦闘シーンなどの早い動きの部分は昨今のアニメではややもすると素早さの表現にばかり追い求めてとかく軽くなりがちですが、本作では迫力ある重厚さが存分に伝わってきました。(TYサイズの作品では本当に難しいことだと思います)
オリジナルストーリイの部分も人物のより深い描写として機能していて特に違和感はありません。
壮大な物語の序章でありながら、単一の完成された作品としても優れたできばえです。
アクションに脱帽です。
71.4% (5 / 7)
[No.11] posted by beruse
いや〜すごい!瞬き(まばたき)するのも惜しいくらいのアクションです。槍の軌跡に溜め息…滑りやすい崖を挑む姿に息を忘れる。一度は観て頂きたい作品です。
八人目の命を守る、バルサ
77.8% (7 / 9)
[No.10] posted by あららあ
文化人類学を研究されている上橋菜穂子さん原作のアニメ。プレビュー番組をたまたま見てガンダム、イデオンのファンというところにひっかかりました。ガンダム、イデオンの物語の本質にかなり若い頃ファンだったそうです。(わかるなぁ)
最新の映像表現。神山監督、なかなかこだわりの演出家のようですね。背景に動画にレイアウトに脚本にどこか新しい息吹を感じます。デジタル彩色になってカラフルなというより厚みのある色使いが目を引きます。それを演出で引き出す、意味を持たす。第1話の水の張った棚田、空と雲、春先の季節感が出てますね" 13話の鰻の蒲焼、あの尾頭付きのやつです。うまそうに炙られててましたね。
デジタル彩色のお手本のようです。S.A.Cとは一味違いますが、人間味こそが神山作品の魅力。SFとファンタジーとジャンルは違いますが期待して最終回まで見届けたいと思います。
細部の美しさと「大人」の存在
76.5% (13 / 17)
[No.9] posted by animecritic
文化人類学者の著した児童文学が原作のアニメ作品。
その人類学的な知識によって細部まで描かれた「生活」のディテールが素晴らしい。例えば、第一話から早速登場する郷土料理や民間伝承と世界観などだ。
また、この作品の主人公、女用心棒バルサは物語冒頭で自らが三十歳だと名乗るが、彼女はまさに三十歳として一つの芯を持ち、過去を持つ「大人」だ。最近のアニメ主人公の低年齢化、そして未成熟な人物が好んで描かれる現状からするとこのアニメの表現は画期的だといえる。
そしれ、それが背景ディテールの助けによって説教くさくなく表現されている点を高く評価したい。