- [アーティスト]ハーディング(ダニエル)
- [作曲]マーラー
- [演奏]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- カテゴリ:
- CD (78分)
- 発売元:
- ユニバーサル ミュージック クラシック (2008/02/13)
- 定価:
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マラ10の素晴らしさ
クック稿の10番はどうしても認めないという人も多いかと思います。そんな人たちに聴いてほしいのが、ギーレン盤、シャイー盤、そしてこのハーディング盤のいずれかです。どれも三者三様の名演で、マーラーかどうかを認めるかは個々人になってきますが、素晴らしい名曲だとは感じるかと思います。このハーディング盤は今まで全曲版の中でも最も博愛に満ちた演奏で最後はそれこそ、浄化されるように終わりを告げます。いわゆる「マーラーには厳しさ」というものを求めている人にはなかなか合わないかもしれません。しかし、終楽章の美しいフルートの音色など本当に感動的です。10番のファーストチョイスとしても最高でしょう。が、正直音質が余りよくないです。悪くも無いですが、管楽器の音色がかなり乾いて聴こえます。後発の輸入盤では改善されてることを望みます。
精緻で透明な美しさ光る演奏は新鮮!
10番はもともと妖艶な美しさが曲全体を覆うっていますが、この音楽がハーディングを通り抜けることで、マーラーの精神を濾過して、その音楽が持つ美しさと香りだけを取り出したような演奏に驚いてしまいました。穢れがないというべきか、30代前の演奏家でなければ紡ぎ出せないような透明で美しい音楽は、古今の誰とも異なる素晴らしい演奏です。終楽章のティンパニの一打は、今までどの演奏家のものでも不自然に聞こえてしまい仕方がないとあきらめていましたが、初めて自然な演奏に接しました。音楽界に身を投じる為に若くして自らの信じる神も捨て、死の予感の中で妻のアルマの愛さえ失いかけたマーラーの終楽章は感動的です。昇華されていく音楽の美しさに浸ることができました。
優秀な録音であることは間違いありませんが、素晴らしい録音だったブーレーズの2番、3番、8番に匹敵するかというと今一歩という気がします。しかし空間の奥行、広がりの取れたマーラーに相応しいすぐれた録音になっていることは間違いありません。
