- [アーティスト]ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ラトル(サイモン)
- [作曲]マーラー
- [指揮]ラトル(サイモン)
- [演奏]ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- カテゴリ:
- CD (83分)
- 発売元:
- EMIミュージック・ジャパン (2008/03/12)
- 価格:
- ¥ 2,800 (税込)
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マーラーの9番としては平凡
マーラーの交響曲9番というと、ベルリンフィルの当たり曲で名盤も多く、
バーンスタインのライヴ、カラヤンの2種(ライヴのほうが優秀)、バルビローリ、アバド。
ラトルのマーラーはデビューの5番が駄作で、この9番はまあまあだけど上記の名盤の中では、
どうしても埋もれてしまう。平凡な演奏。フレーズやテンポに意味の無い変化を付けるのがこの人の特徴で、
過去を見てもこういったアポローチの指揮者は一時期脚光を浴びても、結果としては平板な指揮者で終わっている。
ラトルの何曲か聴いたが、大指揮者とは成りえない人材です。
興味深い演奏だが評価は分かれるだろう
きわめてメリハリのきいた演奏だ。「もっとすんなりいっても」と思うところでタメを作るかと思えば、他の演奏以上に一気に加速したりする。「ここでこんな音がしてたっけ?」と思うぐらい、今までの滑らかに流れる演奏の中では聞こえていなかったいろいろな音が聞こえてくるのも興味深い。ヴァイオリンを両翼に分けた対向配置の効果も、ウィーン・フィルとの旧盤以上にはっきりと感じられる。録音状態はもちろん今回の方が優れている。
だが、そうしたことは、別の見方をすれば、音楽の滑らかさとか、この曲に従来結びつけられてきた「死の予感」から連想される耽美的な美しさなどには、少々欠けるということにもなるかもしれない。そうした点では旧盤のほうが上だろうし、かつてのベルリン・フィルとカラヤンの作り出した流麗と洗練の極みのような演奏とは全く違っている。これに比べれば、ブーレーズ/シカゴ響盤も、より滑らかで美しい演奏に聞こえる(ただしライヴ録音か否かとかレーベルの違いとかもあるので一概には言えないが)。そこがおそらく評価の分かれる点だろう。
しかし、第2楽章の「いくぶんぎこちなく、そしてきわめて粗野に」(このCDの日本盤では「いくぶん歩くように」となっているがカラヤン盤の解説では「いくらかぶきっちょに」、ブーレーズ盤では「いくぶんぎこちなく」となっている)とか第3楽章の「きわめて反抗的に」という指示を見ると、この曲はただ滑らかで耽美的なだけの曲でもない。それらの指示を見事に実現してみせた演奏と言うことも出来るだろう。舞曲も、滑らかに流れるような踊りではない。こういう言い方が適切かわからないが、イメージとして言うならば、古楽の演奏を経て起伏が大きくユーモラスな感覚を持ったハイドン演奏が隠し味になっているマーラーという感じか。個人的には、現時点では美に陶酔できる演奏に魅力を感じるが、このCDはなにか病みつきになって時折聴きたくなる演奏だと思う。
