- [監督]ロバート・レッドフォード
- [俳優]メリル・ストリープ
- [俳優]トム・クルーズ
- [俳優]アンドリュー・ガーフィールド
- [俳優]デレク・ルーク
- カテゴリ:
- DVD (92分)
- 発売元:
- 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2008/08/22)
- 定価:
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『大いなる陰謀」は甚だしい迷訳だろうか?
この邦題に対しては概して酷評が多い。しかし、何故、野心満々の政治家が大衆マスメディアの雄である、テレビ局のジャーナリストを招き、単独スクープをさせようとしたのか。これはかって彼を好意的に報道してくれた彼女への善意ある対応、恩返しではない。作中で展開されるアフガンでのリスキーな特殊作戦の成否はこの政治家にとっての関心事ではない。成功すれば文句なしに、たとえ失敗しても、テロに対する戦いに身を挺したアメリカ兵の勇気ある行動として、その正当性をアッピール出来るとの計算があったに違いない。そして、じつはこれこそが「大いなる陰謀」であり、この邦題は作中では明確に示されていないメッセージを補完し、作品の意図を示す、ある意味では正しい邦訳である。しかし、映画がやや曖昧な会話に終わっている点で作品としての完結度、全体的な評価としては、5段階評価での3・5に止まる。
英語が解らないとつまらない
仕事でニューヨークへ行った折りにシアターで観て来ました。全編通してセリフが多いので英語が理解できないとキツい映画です。DVDの日本語字幕ではあまり理解できないかもしれません。吹き替えはかなりいい出来ですので、そちらをお薦め致します。私は現地のアメリカ人の社員2人と観ましたが、鑑賞後のディスカッションに驚きました。2人ともいいか、悪いかの選択しかありません。民主か共和党の二大政党ですから中間はないというはっきりしています。ハリウッドに代表される超大作も歓迎し、こういった、ただ政治絡みのセリフの続く映画に関しても十分に楽しむ気質を持っている。例えば、杉村大蔵議員のインタヴューを女性のキャリアのある年輩のジャーナリストが行なう事に興味がありますか?全くないでしょうねー。それ位の設定でこんな映画をつくるアメリカならではの作品です。監督、出演者もいう事なしです。また、改めてDVDを購入し字幕入りで観ましたが、やはり分かりにくいですね。日本語の表現に少し無理なところがありますから。でも映画ですので、フインキが理解出来ればいい訳でそう深刻になる事もありませんね。だだ、文句をひとつ。日本語の題名の酷さはないですねー。センスの無さには飽きれます。多分、アメリカ人に教えたら、大笑いされるでしょうねー。ノーカントリーの事を教えたら、仰け反ってました。
今のアメリカを痛烈に批判。そして現代の若者へのメッセージ
原題は「Lions for Lambs」。訳すと「羊たちに率いられたライオンたち」。愚鈍な羊がホワイトハウスを表す。そしてトム・クルーズ演じるアーヴィング上院議員でそれを象徴的に描き出す。勇敢なライオンが戦争に赴き死んでいった兵士たち。痛烈に今のホワイトハウスを批判する内容となっています。
独占取材を許されたジャーナリストのジャニーン。アーヴィング上院議員の言ったことを鵜呑みしてそのまま報道し利益を得るか、彼の隠された陰謀のようなものに気づき報道すべきでないとするか。会社員としての自分と良心との間で揺れ動くさまをメリル・ストリープが演じる。
一番心に残ったのはロバート・レッドフォード演じるマレー教授と才能はあるが努力をしない教え子トッドとの会話。将来性はあるのに努力をしない彼を問い詰める様は今の若者へのメッセージとなっている気がします。
サスペンスモノと勘違い。
全編通して、会話だけで成り立っているのですが、案外短い映画だと
感じてしまいました。
内容に対して、2時間を少々超える映画でも良かった気もします。
さあ、貴方ならどうする!という事を伝えるがためのシンプルな幕の引き方
なのでしょうが、ドキュメンタリーとして制作されているならそれで構わない
のですが映画としては、率直に楽しめなかったです。
優秀な?政治に無関心な学生さんが出てきておりますが、私が一番、自己投影しやすい
キャラクターだと思いました。皆様は、如何でしょうか?
無関心=シビリアンコントロールしやすいというのにも触れられてましたが、
この辺りが表題の大いなる陰謀に繋がるのかは謎です。
正義と行動力を問いかける近年まれにみるテーマの作品。邦題にだまされるな。
この作品は上映以前に予告編で流される期間が非常に長く、どんな大作なのだろうかと思っていたが、実際見てみると、いわゆる昨今のハリウッド大作とは全く異なるタイプの作品で、良い意味で期待を裏切られた。
邦題の「大いなる陰謀」というのは、はなはだ疑問のあるタイトルで、まるでこの作品をアメリカ政府のたくらむ国家的犯罪とそれをあばく主人公達といった内容に勘違いさせるものだが、本当の内容とは全く異なる。原題の「LIONS FOR LAMBS」が本作品のコアとなるメッセージなのだが、集客力を考えてあえて違った邦題にしたとしか思えない。
まさしくライオン達の墓標がドミノのように立ち並ぶワシントンDCのアーリントン墓地を横切る車のなかで、涙をながすメリル・ストリープが印象的だ。
何が問題かを知るために
"Lions for Lambs"の原題がまさにこの映画を最もよく表しています。邦題の「大いなる陰謀」はちょっとニュアンスが違うので、陰謀に満ちたサスペンスを想定して観てしまうと、物足りなさは否めないでしょう。
ただ、ニュートラルな視点からみると、9.11のテロから現在に至るアメリカの軍事活動、マスコミの動向を振り返る上で意義のある作品であると思います。
ほとんど戦争未経験で、ホワイトハウス進出しか頭にない政治家が快適なオフィスで考え出す軍事作戦。それを国を憂う若者が命がけで遂行しているという事実。正論と多数派意見を都合よく織り交ぜながら、視聴率最優先で報道するマスコミの問題。そして、そのような複雑で難しい情勢に直面して、行動をやめてしまう学生。これらの「正解のない難問」を映画という手法でうまく表現していると思います。
また、教え子を戦争に送ってしまい、若者にどう助言すべきか戸惑う大学教授。マスコミの変貌とジャーナリズムの使命に苦悩するテレビ記者。優秀だが、目先の成功の為に安易な決断を下してしまう上院議員をそれぞれロバート・レッドフォード、 メリル・ストリープ、 トム・クルーズが見事に演じています。
正義ってなんだ?
辛口ですが、邦題の仰々しさに比べ、ストーリーは大変陳腐に感じました。
やたらと言葉数の多い取材と会話シーンが続き、
全然頭に入らないうえに退屈とさえ感じてしまいました。
あとやたらと場面切り替えがあり鬱陶しい。
各々のキャストも彼らである必然性が全くないように思えました。(特にトムクルーズ)
この映画のコンセプトというかメッセージがいまいち伝わってこない。
マスメディアの在り方、責任に関しては考えさせられるものがありました。
この映画を本国民はどのように受け止めたのだろうか?
広大な墓地公園の映像には、なんだかやるせない気持ちになりました。
楽しむ映画ではないが、間違いなく見るべき映画。
映画を娯楽として考える方には、向かない映画。なんとなく、問題がいつの間にかスーパーヒーローによって解決されるようなアクションものとは程遠い。この映画自体、進むことも後退することも出来ない灰色の現状をそれぞれの立場から捉えた非常にいい映画です。あえて文句を言うならば、中身の重さに引き替え邦題タイトルのなんと安直なこと。まだ直訳の方が良かったかも。
映画的には退屈だが、"リベラリズム"の限界を乗り越えようとの"思い"は伝わる。
オバマ、クリントンの壮絶なデッドヒートにようやく決着がつき、いよいよ大統領選が近づいてきた。ハリウッドは元来リベラル勢力が幅を利かせており、この時期になると政治的メッセージ色が強い映画が増えるが、これは極め付けの反ブッシュ、反共和党キャンペーン映画だ。
対テロ強硬派で自信家の共和党上院議員と、リベラルな女性ジャーナリストのやり取りは、いかにも手だれた善悪二元論の物差しで語られ、さして目新しいものではない。ただ、T・クルーズ扮する議員の覇権主義、アメリカ絶対主義的な言動をファッショと決めつけるのは容易いが、9.11時の報道、言論を始めとする、マス・メディアの風見鶏的対応を冷笑し、所詮はリベラルと我々は表裏一体と言い放つその頑強な鉄面皮ぶりに比べ、M・ストリープ演じるジャーナリストの何と脆弱な事か。まるで、心優しき“リベラル”の限界を、ロバート・レッドフォードは感じているようだ。
むしろ、観ていて、なるほどそう来たかと感じたのは、後にアフガンに軍人として志願する大学生たちが、研究発表の席で、全米の総ての高校生を1年休学させて軍隊組織に入れる事の義務付けを提唱する件で、一見危険な発想とも思うが、M・ムーアの「華氏911」や堤未果の「貧困大国アメリカ」(岩波新書)でも喝破されていた様に、戦争の先兵として戦地に赴くのは、黒人、ヒスパニック系マイノリティーにプア・ホワイトと言う不平等な現実こそアメリカの根源的問題と捉え、富裕層も例外なく兵役させる事で社会や痛みを知る、ある意味これは真っ当で過激なリベラリズムではないか。
現状への閉塞感と正義感を以って、軍に志願する事でアメリカを変えようと考えた若者も、奇しくもアフガンで、つい先日痛ましくも命を落とした日本のNGOの若者も、どんなに青くても、甘くても、仮にそれが若さゆえ見誤った事だとしても、何かをしなければと行動する勇気とこだわりを持つ若い世代に光明を見る。
それにしても、劇中語られるアメリカが世界から嫌われた5つの出来事って、ベトナム、グレナダ、チリ、パナマ、イラク、ヒロシマナガサキ、、、とても5つじゃ済まないと思うけど。
反戦というメッセージが消えた、帝国の洗脳映画か、それとも事実の描写か?
この映画を見ると、アメリカでは現政権批判をすることは許されていても、アメリカは世界の出来事に常に介入せざるを得ない、「帝国」であることがよく分かる。現政権を批判することは、次の政権が民主党であると決まっていれば容易なことである。しかし、アメリカという国が世界帝国になって、世界に軍事進出していることを公然と批判することは出来ない国なのだ。
確かに、ストリープ演じるテレビ記者が、報道される時点では既に失敗していた「政権=共和党」の秘密軍事作戦を暴くべく、リークされた軍事作戦の報道を渋るところや、大学教授が「私も本当に価値のある戦争だったら喜んで支持する(つまりこの戦争は支持できない)」というあたりは、アメリカの帝国性を批判する臭いが感じられるが、ロバート・レッドフォードという人の限界がそこから先には見えてしまった。
それとも、レッドフォードは、アメリカという帝国のどうしようもない現実を描写することで、受け手にこの映画では描かれないもう一つの「行動」、すなわち、「テロとの戦いそのものへの批判」(アメリカは世界から撤退せよ)を起こすように促したかったのだろうか。
しかし、それを期待するのはレッドフォードを高く買いすぎというモノだろうという思いの方が私には強い。
細かい部分について述べれば、アメリカの軍隊における人種問題(黒人とヒスパニックは前線でつらい役目を負わされる、など)の現実を描いている部分はそれなりに参考になると思った。
オリバー・ストーンの「JFK」のような鋭い批判がこの映画にあったかといえば、それはむろん否である。
